動物の中で、最強とも言われているトラ。
主な色は、黒色と「何色」でしょうか?
日本人100人に聞いてみると、9割近くの人が黄色と答えた。
しかし、外国人に聞いてみると、8人中7人がオレンジ色と答えた。
トラは、日本では黄色、海外ではオレンジ色と考えられているという。
実際のトラの色は、どうなのか?
オレンジ色だった。
黄色と思っている日本人の誤解だった。
黄色でも、オレンジ色でも、色自体にあまり大差はなさそうに見えるが、
トラにとっては、とても重要なことだという。
その秘密を教えてくれるのは「シカ」。
トラの主な獲物であるシカの目の特徴を知れば、わかる。
こちらに色の付いた絵がある。
よく見ると、オレンジ色のトラが5頭、茂みに隠れている。
そして、こちらは特殊なメガネ。
これをかけるとシカの見え方に似た状態を体験できる。
このメガネをかけて見た先ほどの絵が、こちら。
トラ5頭がどこにいるか、事前に答えを知らされていなければ、全然わからない。
逆に、黄色のトラが5頭隠れている絵がこちら。
こちらは特殊なメガネをかけていても、オレンジ色よりも目立っている。
エゾシカの色覚(色の見え方)を研究している 大久保倫子 博士(東京農業大学 生物産業学部)によると、
「シカにとっては、緑色とオレンジ色が同じ色に見えていると考えられる」
とのこと。
一般に、人の目には、色を感じる「赤・緑・青」の3種類のセンサーがある。
この3つの色の情報を合わせることで、様々な色を認識できる。
一方、シカなどの草食動物は、緑と青の2つのセンサー。
そのため、色によっては、違いがわかりにくくなり、同じ色と認識してしまうことがある。
こちらにある「オレンジ・緑・黄」の円盤を先ほどのメガネで見てみると、
黄色は見分けられるが、オレンジと緑は、ほとんど見分けがつかない。
トラが隠れている絵からオレンジ色のトラ5匹を見つけにくかったのは、これが理由。
トラが緑に見えていた。
このように、トラはシカから見つかりにくくしている。