水が入ったコップの中に、ポリ袋が入っている。
このポリ袋の中には「紙」が入っている。
上から見ると、「十」の字が縦に並んで書かれている。
次に、入っていたポリ袋を水から取り出してみる。
すると、「田中」の文字が現れた。
再び、ポリ袋を水の中に入れると、また「十」の字だけになる。
実はこれ、目線を下げると、水の中に入れたままでも、「田中」の文字が見える。
次に、ポリ袋から紙を取り出してみる。
実は紙には、「田中」の文字が、ポリ袋の表面には、それに重なるように、「十」の字が書かれていた。
なぜ、水の中に入れると、紙に書かれた文字だけが見えなくなるのか?
ポリ袋を水の中に入れる前は、二つの字が重なって、「田中」と見える。
次に、ポリ袋を水に入れると、中の紙からの光は、空気から水、水から空気と、2回屈折する。
そのため、かなり浅い角度からしか、見ることができない。
一方、目線が上にある時は、ポリ袋の面で、全反射した光だけが、目に入る。
水の中のポリ袋は銀色に見えるが、これはその全反射が起きているから。
コップの向こう側に鉛筆を置いた時にも見えなくなる。
これも鉛筆とコップの間に空気の層があるから。
では、サインペンで直接コップの表面に線を書くとどうなるか?
空気の層が入り込まないので、ペン先は見えないのに、書かれた線だけは見えている。