なぜ子どもは秘密基地を作りたがる?という話がありました。
これについて、進化心理学を研究している石川幹人先生(明治大学 情報コミュニケーション学部 教授)が説明していました。
石川先生「本能的に命を守る練習をしている」
人間をはじめ、生き物には、命の危険が迫った時にとる行動が3種類ある。
それは、「戦う」「逃げる」「隠れる」。
この3つのどれかを選んで行動に移し、自分の命を守ろうとする。
例えば、ライオンは、勝てそうな敵(キリン)とは戦うが、強い敵(バッファロー)からは逃げてしまう。
草食動物のシマウマは足が速く、戦わずにひたすら逃げる。
プレーリードッグなど、逃げてもすぐに捕まってしまう小さい動物がとる命を守る行動、それが「隠れる」。
危険を察知すると、即座に巣穴に隠れ身を守る。
もちろん、人間にも、命を守ろうとする遺伝情報が備わっているので、危険に対して準備しておかないと、気が済まない。
本能的に、いざという時の予行練習をし始める子どもたち。
まだ体が発達していないため、力が弱く走るのも遅い子どもにとって、命を守るには「戦う」「逃げる」ではなく、敵に見つからないように「隠れること」が最も生き残れる方法。
子どもにとっての「命を守る練習」は「隠れる練習」。
つまりは、「秘密基地遊び」。
秘密基地で遊ぶ時、大人を敵に見立てたり、架空の敵をつくって隠れたりする。
これは、自分たちで設定した世界の中で、敵に見つからないように命を守る練習をしている。