デジタル体重計で、重さがはかれるのはなぜ?という話がありました。
体重計製造販売メーカーの本田晃久さん(技術開発担当)が説明していました。
その理由は、体重計の中にある金属の板がひずんでいるから。
一体、どういうことか?
こちらは、一般的なデジタル体重計。
中を見てみると、
それぞれの角の4か所に、センサーの部品が付いている。
このような形になっている。
センサーに小さい薄い金属板が2枚貼ってある。
通称「ひずみゲージ」と呼ばれる。
「ひずむ」とは?
力が加わり、ゆがんだり、曲がったり、いびつになること。
この2枚の金属板のひずみ具合で、体重がわかる。
体重計に乗った時、このセンサーの2か所で重さを感知。
分かりやすいように拡大した模型がこちら(右側)。
2枚の金属の板、その外側の丸い部分、ここに力が加わると、
2枚の金属板がのっている真ん中の土台が、右側に下がるようになる。
すると、土台が変形し、それに合わせて金属板は、
1つは、引っ張られて伸び、
もう1つは、縮む。
このひずみで、なぜ重さがわかるのか?
それは、伸びた金属板と縮んだ金属板とでは、電気の流れ方が違うから。
この電気の流れ方の違いを検知して、体重が分かる。
金属板は、伸びると電気が通りにくくなり、
縮むと電気が通りやすくなる。
例えば、金属を「道路」、電気を「人」に見立てると分かりやすい。
長くて、狭い道路を、一度にたくさんの人が通ることができない。
→伸びた金属板は、電気が流れにくい
短くて、広い道路は、一度にたくさんの人が通れる。
→縮んだ金属板は、電気が流れやすい
この 電気が流れやすい金属板と流れにくい金属板の電気量の差をはかって、
その差から、どのくらい重さが加わったかを計算している。
例えば、電気量の差が、0.5mVの場合は、50kg。1mVの場合は、100kg といった具合に設定され、
正確な体重が表示される。