なぜ特急列車の座席は倒せるのか?:チコちゃんに叱られる!【2022/06/24】

なぜ特急列車の座席は倒せるのか? という話がありました。


鉄道ジャーナリストの梅原淳さんが説明していました。

日本初の特急列車が誕生したのが、40年前の1912年。

当時は、座席が倒せる特急列車の車両はなかった。

座席を見てみると、背もたれは倒せない作りになっている。

その後、特急列車は、ボックスシートが主流になったが、

やはり、倒すことはできなかった。

背もたれが倒せるリクライニングシート導入のきっかけとなったのは、

戦後、日本を占領したGHQ。

終戦後、GHQは鉄道を使って全国を視察。

戦前から、アメリカでは長距離移動の列車は、座席が倒せるリクライニングシートが 一般的。

しかし、戦後の日本の長距離列車は、このように座席が倒せないボックス型が主流。

日本人の体型に合わせて作ってある座席に、彼らが座れば当然窮屈。

彼らには苦痛でしかなかった。

そこで、GHQは国鉄に対して、リクライニングシート付き車両の製造を命じた。

そして、誕生したのが、「スロ60」。

これは、「特別2等車」といって、今でいうグリーン車に相当する車両。


国鉄は、この車両を一般客にも使ってほしいと、

リクライニングシートでの旅をPRするパンフレットを作成。

そこには、リクライニングシートに不慣れな日本人のために、

使い方も分かりやすく説明されていた。

当時、リクライニングシートを体験した人は、

理髪店のイスが列車に乗って走っているようだと、例えたという。

そして、1972年になると、国鉄はグリーン車両だけでなく、一般車両にもリクライニングシートを採用。

その座席は快適だと話題を呼び、私鉄各社も次々と取り入れ、

現在では、日本のほぼすべての特急列車の座席が倒せる。