ビールの1口目がおいしいのはなぜ?:チコちゃんに叱られる!【2022/07/29】

ビールの1口目がおいしいのはなぜ?という話がありました。


これについて、のどの感覚について研究している 北川純一 先生(松本歯科大学 歯学部 教授)が説明していました。

実は、ビールの1口目を「おいしい」と感じるのに、味はあまり関係ない。

私たちは、舌にある「味蕾(みらい)」という器官で、

「甘味・酸味・塩味・苦味・うまみ」の味を感じ取っており、

この味蕾は、のどにもあるが、舌とは違い、味をほとんど感じることができない。

しかし、のどには、ビールの1口目をおいしく感じる3つの要素がある。

のどにかかる圧力

つぎたてのビールは白い泡が多い。あの泡がフタとなり、液体には炭酸がたくさん閉じ込められている。

この時、力を入れて飲み込むので、その反動でのどの粘膜同士が触れ合う。

その時に、脳が快感を得る。

これがいわゆるビールの「のどごし」。

アルコール

そもそも、のどが渇いている時、水を飲んでもおいしく感じる。

この、のどの渇きを感知しているのが、のどの神経線維の中にある「水繊維」。

のどの入り口にある水繊維に水分が触れた時、私たちはのどが潤ったと感じる。

そして、のどが渇いた時、ビールを飲むと、水に比べて興奮が長続きする。

そこで、ポイントになるのが、アルコール。

炭酸水が触れた時の水繊維の活動を見てみると、炭酸水が触れた瞬間、神経活動が活発になるが、その後は急降下。

のどが潤った興奮は短い。

一方、ビールの場合、水繊維に触れたあと、神経活動は緩やかに持続している。

このように、アルコールを含んでいる飲み物の方が、のどが潤ったという興奮状態が長続きするため、

よりおいしいと感じる。

炭酸のシュワシュワ感

ビールの炭酸のシュワシュワ感が、のどの粘膜をチクチク刺激することで、

脳が「おいしい」と感じている。

1口目のび~るは、つぎたてですから、シュワシュワ感が強い。

だからおいしさを強く感じる。

このように、3つの要素でのどがおいしいと思っているから、ビールの1口目はおいしいと感じる。

ちなみに・・・

おつまみには、塩気の強いものが多いが、

実は、塩分をとると、
→ 神経活動の興奮状態が収まる
→ 脳がのどの潤いが減ったと感じる
→ 次に飲むビールが1口目のようにおいしく感じる

となる。