気合いを入れたりする時の掛け声「エイエイオー」。
これは、どんな意味なのか?という話がありました。
これについて、日本の文化・歴史に詳しい 小和田哲男 先生(静岡大学 名誉教授)が説明していました。
現在は、運動会や選挙の時にやっているイメージがある「エイエイオー」。
その起源は、戦国時代だと考えられる。
戦国時代以前は、「ウォ〜」と戦の始まりに叫ぶ、鬨(とき)の声【雄叫び】だけだったが、
この雄叫びが、戦国時代になると、大きく変わる。
戦国時代以前は、一騎打ちのような個人戦が多かった。
一方、戦国時代になると、足軽なども増え、戦が大人数になりチームワークが必要になった。
そこで、一致団結の掛け声として、「エイエイオー」が誕生。
戦国時代の戦は、団体戦のため、兵士みんなが、戦いに勝つぞという気持ちでまとめることが重要だった。
そこで、「ウォ〜」という、たたの雄叫びではなく、みんなで声をそろえて、気持ちを奮い立たせる「エイエイオー」という掛け声が誕生した。
本来、大将が「エイエイ」と言って、配下の兵たちが「オー」と叫ぶ。
それぞれに意味があり、「エイ」=戦う気をあるか、「オー」=応じる(もちろんです)。
つまり、大将の思いに応えるという意味がある。
戦国時代に上杉謙信の戦のしかたを記した書物「北越軍談」を見ると、
「曳々応(エイエイオー)の声を発す」と書かれている。
このように、「エイエイ」の「エイ」は、漢字で「曳(ひく)」や「栄(さかえ)」と書く。
つまり、「エイ」という掛け声には、兵を引っ張る・国を栄えさせる、という意味があり、
兵士たちに「戦う気はあるのか」と、問いかけている。
一方、「オー」は、漢字で「応」と書き、大将からの問いかけに「もちろんです」と返事をしている。
では、なぜ戦がなくなった現代でも、「エイエイオー」が使われているのか?
江戸時代になり、戦がなくなると、「エイエイオー」は使われなくなった。
そして、現代、テレビが普及し、戦国時代を描いた時代劇が放送され、それを見た人たちがマネをするようになって、広まったと考えられる。