水は地面に染み込むのに、なぜ海の水はなくならないのか?という話がありました。
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これについて、水産大学校で海洋観測などを行い世界の海について研究している、柏野裕二 先生(水産大学校 海洋生産管理学科 教授)が説明していました。
海の水は、どれくらいあるか?
その体積は、約14億立方キロメートル。
リットルに直すと、14垓(がい)リットルあるといわれている。
「垓(がい)」という単位は、「万」の上の「億」の上の「兆」の上の「京(けい)」の更に上の単位で、
ゼロの数は、20個もある。
14垓リットルといえば、2リットルのペットボトルが7垓本分。
こんなにも、たくさんある海の水は、蒸発して雲となり、雨として直接海に戻ったり、
陸地から川や地下水として、海に戻るという循環を繰り返している。
しかし、海の底にも陸と同じように地面がある。
なぜ、海の水は、しみこんでなくならないのか?
陸地の地面にある土や砂利には、隙間があるため、そこに降った雨水は、しみこんでいく。
一方、海の底には砂があって、その下には、かたい岩石で出来た「地殻」がある。
この岩で出来ている地殻のせいで、水はしみこんでいないと思われがちだが・・・。
例えば、石に水をかけると、表面だけぬれてるように見えるが、
実はあれ、ゆっくりと中にしみこんでいる。
つまり、海の底にある岩で出来た地殻にも、水はしみこんでいる。
しかし、地上と海底では、岩石に水がしみこむスピードが違う。
これは、水圧が関係している。
「水圧」とは、水の重さによって発生する圧力で、10m深くなるごとに、1気圧ずつ増える。
深さ6500mでは、650気圧にもなる。
これがどれぐらいの水圧かというと、
プラスチックの容器が、こんなに小さくなってしまうくらい。
これだけ強い水圧で、押された岩石がは、地上より隙間が小さくなって、水を通しにくくなる。
このことから、海の底にしみこむ水の量は、地上よりも少ない。