お茶にホコリのようなものが浮いているのはなぜ?という話がありました。
これについて、日本茶研究の第一人者で「お茶博士」こと、大森正司 先生(大妻女子大学 名誉教授)が説明していました。
湯のみはキレイなのに、お茶にホコリのようなものが浮かぶのは、お茶の品質がいい。
しかし、これは「ホコリ」ではない。
まずは、お茶の葉のお話。
お茶にはいろんな種類があるが、緑茶・ウーロン茶・紅茶は、もともと同じお茶の木からできるもので、
その製造方法で、違いが生まれる。
茶葉を発酵させないのが、緑茶。
半分ほど発酵させるのが、ウーロン茶。
完全に発酵させるのが、紅茶。
茶葉全部がお茶として使われるのではなく、上のやわらかい新芽の部分、
特に春に最初に摘まれる「一芯二葉」と呼ばれる新芽の先端部分は、
お茶の中で、最も、うまみと甘みが凝縮された、上質で高級な新茶になる。
一方、新芽が育ち、ある程度成長した茶葉は、価格が手ごろな番茶などになる。
新芽の葉の裏を見てみると、
細かい毛のようなものが、びっしりと生えている。
これがお茶の産毛で、専門的には「毛茸(もうじ)」と呼ばれている。
これが、ホコリのようなものの正体。
緑茶は、茶葉を蒸した後、もんで乾かすという皇帝を繰り返しながら作られる。
若い新芽をお茶にする時、特に毛茸を取り除くという作業はなく、そのまま加工されるため、
お茶をいれると、茶葉に交じっていた毛茸が表面に浮かんでくる。
毛茸は成長するとなくなるので、ある場合は若い芽を使っているお茶ということになるので、品質がいい証拠となる。
ちなみに、毛茸は、緑茶だけでなく、紅茶やウーロン茶などでも、新芽で作った品質のいいお茶全般に浮かぶことがある。