なぜコーヒーを飲むと目が覚める?という話がありました。
これについて、福島洋一 先生(大東文化大学 スポーツ・健康科学部)が、説明していました。
コーヒーを飲むと目が覚めるのは、「カフェイン」という成分が入っているから。
カフェインは、苦味を持つ食品成分の一つで、コーヒー豆やお茶の葉っぱ、エナジードリンクなどに含まれている。
体に入ると、疲労感や眠気を軽くしたり、集中力を高めるといった作用がある。
しかし、なぜカフェインを取ると目が覚めるのか?
それは、カフェインが「偽物の鍵」だから。
そもそも、なぜ眠くなるのか?
これは「アデノシン」という物質が関係している。
アデノシンは、脳が疲れを感じると生まれる物質。
これが「アデノシン受容体」というものと、くっつくことで眠くなる。
分かりやすく言うと、アデノシンが「鍵」で、アデノシン受容体が「鍵穴」。
鍵が鍵穴に入ることで、カチッと「眠気スイッチ」が入るイメージ。
カフェインは、このアデノシンと形がよく似ている。
なので、アデノシン受容体とくっついてしまう。
つまり、偽物の鍵が鍵穴にささってしまう。
アデノシンが入るはずだった鍵穴に、偽物の鍵であるカフェインがはまると、
鍵がうまく回らなくなり、眠気スイッチが入らなくなってしまう。
その結果、本来起きるはずの眠気が起きにくくなる。
これが、コーヒーを飲むと目が覚める理由。
眠い時やリフレッシュしたい時に、最適なカフェインだが、とり方には注意が必要。
カフェインは、眠気や疲れを一時的に感じにくくさせるが、回復させてくれるものではない。
なので、カフェインをとっても疲れはたまる。
昼間、勉強や仕事を頑張るためにカフェインをとるのは効果的だが、
夜、疲れがたまってる状態や、徹夜するぞとカフェインをとるのは、お勧めできない。
さらに、カフェインはとりすぎると、めまいや吐き気などを引き起こすおそれがある。
健康に悪影響がないとされる1日の摂取量は、健康な大人で最大400mgまで。
コーヒーをティーカップで4杯ほど。
18歳未満では体重1kgあたり3mgまで。
(例:体重30kgの場合、3mgx30kg=90mgまで)
カフェインが含まれている飲み物がこちら。
中でも最も多いのが、玉露。
玉露は60℃のお湯でいれるのが美味しいとされているが、
その理由のひとつが、高温のお湯でいれると、カフェインが多く出て苦味が強くなるから。