緊張するとなぜトイレに行きたくなる?という話がありました。
これについて、近藤幸尋 先生(日本医科大学付属病院 泌尿器科 主任教授)が説明していました。
そもそも、普段、私たちが「おしっこ、した〜い!」と思うのは、
おしっこをためる膀胱に、おしっこが7割ほどたまってから起こる現象。
私たちの体の中には、
膀胱というおしっこをためておく臓器があり、
大人の場合、大体、500mlのペットボトル1本ほどのおしっこを体の中にためておくことができる。
膀胱は、おしっこをためる時に、7割程度たまってくると、膀胱の神経が反応し、
脳に「おしっこがたまっています!」という信号が送られる。
これが「おしっこしたい!」の正体。
しかし、私たちはピアノの発表会や就職活動の面接など、
緊張する場面になると、トイレに行きたくなることがある。
これは、一体、どういうことなのか?
人は緊張状態になると、神経が研ぎ澄まされる。
つまり、体の異変に、すぐ対応しようと、戦闘モードに入る。
人は危険な場面に直面すると、立ち向かうか、逃げるか、素早く判断するため、
神経が戦闘モードに入る。
実は、緊張した時も同じ状態になる。
つまり、体に何か異変があったら、すぐに対応しようと、全身の神経が敏感になる。
この時、おしっこがたまっていない膀胱の神経も敏感になる。
膀胱は敏感になると、いつもなら全く反応しない「腸が食べ物を消化する動き」などにも、過剰に反応してしまう。
これによって、膀胱はおしっこがたまったと勘違いし、脳に誤った信号を送ってしまう。
つまり、神経が戦闘モードに入ったことによって、おしっこがたまっていないにもかかわらず、トイレに行きたくなってしまう。