「パジャマ」ってなに?:チコちゃんに叱られる!【2024/04/05】

「パジャマ」ってなに?という話がありました。


これについて、西洋の服飾文化を研究する朝日真 先生(文化服装学院 専任教授)が、説明していました。

パジャマは、もともと、寝る時に着る服のことではなく、

インドや、その周辺の国々で着られていた民族服のズボンのことを指す。

それをヒンディー語で「パジャマ」と呼んでいた。

元々は、「パイジャマ」というペルシャ語から来たもので、「脚の服」という意味。

パジャマは、現在でも、インド人などは着ていて、

ふだん着から冠婚葬祭まで、幅広く活用されている。

一体なぜ、インドのパジャマが、世界で寝巻きになったのか?

1880年代、インドに駐留していたイギリス人が、パジャマを着てみたところ、

「寝る時に楽だ」ということで広まった。

当時、ヨーロッパにも、男女兼用のワンピース型の寝巻きがあったが、

使っていたのは主に上流階級の人々。

庶民には、まだ、昼夜で服を着替える習慣が定着せず、多くが下着や裸で寝ていた。

そんな状況の中で、イギリス人がインドから持ち帰ったパジャマが、人々の間に広まった。

その後、パジャマは、ゆったりとして動きやすい上下セットの形が主流となり、

主に男性用の寝巻きとして、イギリスからアメリカを通して、世界へと広がっていった。

そして、1920年代に、女性のパンツスタイルの登場とともに、女性もパジャマを着るようになっていく。

さらに、1934年には、アメリカ映画「或る夜の出来事」で、女性が男性用パジャマを着たシーンが話題となり、

より多くの人にパジャマが広がっていった。

日本でのパジャマの普及は戦後。

それまでは、多くの人が、浴衣を寝巻きにしていたが、

修学旅行や家族以外との旅行のために、

よそ行きの寝巻きとして、パジャマを着る人が増えていった。

さらに、パジャマ人気に拍車をかけたのが、1980年代後半のトレンディードラマ。

友人同士で風呂上がりにパジャマを着て、おしゃべりをする生活スタイルに、憧れる女性が続出したという。

しかし、そんなパジャマ人気も、長くは続かなかった。

1980年代、ジャージやスウェットなどの、スポーツカジュアルが登場し、寝巻きにする人が増加。

実は、下着メーカーが実施したアンケートでも、「パジャマを着て寝ている」と答えた人の割合は、

夏場で、全体の約3割、冬場でも、4割にとどまっている。

ちなみに・・・、

パジャマが上下セットな理由は、定かではないが、

もともと、ヨーロッパにあったワンピース型の寝巻の下に、

インドのパジャマを履いたところ、長い裾である必要がなくなり、今の上下のパジャマの形が出来たのかもしれないという。