「相続あるある」の話です。
相続のキホン〜まさかそんなものまで〜
以下は、ある姉妹の会話。
妹「お母さんが亡くなってもう一か月も経ったんだね」
妹「まだ何かやらないといけないことってあるんだっけ?」
姉「相続税の申告をこれからしないといけないのよ」
姉「お母さんが口座に残した預金と、
この家の価値を合わせた金額を申告して、
そこから、相続税が引かれるんだって」
この時、2人は知らなかった。
相続税がかかるのは、預金や不動産だけではないことを。
(母のタンスの中を整理する姉妹)
妹「処分しちゃうのは、ちょっと寂しいね」
姉「ん?何だろうこれ」
妹「なになに?」
姉「ポイントカード、交通ICカード」
妹「百貨店の商品券も!」
妹「これって、まだ残高あるのかな?
もらっちゃっていいのかな?」
姉「これも相続税の対象になるかもしれないってこと?」
姉「この紙は何?これ、お母さんが株を持ってるってこと?」
妹「これどうしたらいいの?」
遺品整理をしていたら、溜まったポイントや、電子マネー、株などがたくさん出てきた。
これにも、相続税はかかるのか?
判断できるコツは、「お金に替えられるかどうか」で考えること。
多くのポイントは、会員規約で相続できないことが決まっているので、本人が亡くなったら、ポイントは消滅してしまう。
他に、航空マイレージも相続できるものが多い。
各航空会社の対応がこちら。
相続の落とし穴「金の仏具」は相続制がかからない?
引き続き、ある姉妹の会話。
妹「お姉ちゃんそれ何?」
姉「すっかり忘れてたんだけど、お母さんが何年か前に買ってたんだよね、金の仏像」
姉「押入れの奥にしまってあった」
妹「すっごく高そう」
姉「仏具って相続しても相続税がかからないんだって」
妹「そうなの!?」
妹「じゃあこの仏像を売ったら、そのお金そのまま私達の物になる?」
姉「法律でかからないって決まっているんだから、相続税対策には最適よね」
この金の仏像は、本当に相続税対策になるのか?
実は、金の仏像でも相続税がかかるケースがある。
国税庁のHPには「相続税がかからない財産」に、
「墓地や墓石、仏壇、仏具、神を祭る道具など、日常礼拝をしているもの」とある。
「ただし、骨とう的価値があるなど、
投資の対象となるものや商品として所有しているものは相続税がかかります」とある。
確かに、仏像は相続税の非課税財産と位置づけられているが、
そもそも相続税対策のために購入されたものと認定されてしまった場合や、
非常に高価なものについては、非課税にならないので、
実は、相続税対策にはならない。
税務調査は、非常に厳しいもので、一度調査対象に選ばれてしまうと、
約9割の人は申告漏れを指摘されて、追加で相続税を払うことになってしまうという。