なぜナマケモノは怠けているのか?:チコちゃんに叱られる!【2024/09/20】

なぜナマケモノは怠けているのか?という話がありました。

これについて、ナマケモノの行動を研究している、

村松天輔 先生(奈良教育大学 自然環境教育センター 特任准教授)が説明していました。

ナマケモノがなまけているのは、なまけないと生きていけないから。

ナマケモノは、中央アメリカ~南アメリカの熱帯雨林に生息し、木の上で葉っぱを食べながら生活している。

ほとんど動かない様子が、いつも怠けているように見えることが、名前の由来。

ナマケモノには「フタユビナマケモノ」と「ミユビナマケモノ」という2つの種類がいる。

ナマケモノの祖先はもともと地上で暮らしていたといわれている。

しかし、ある時、木の上に登って、木の上で葉っぱを食べて暮らす種類が登場。

実は草食動物にとって、木の上で葉っぱばかりを食べて生活することはとても難しい。

葉っぱや草はカロリーが低く消化しづらいため、たくさん食べる必要がある。

たくさん食べると、体は大きく重たくなってしまう。

すると、枝にぶら下がったり、木に登ったりするのが難しくなる。

そこで、ナマケモノは、たくさん食べなくても生きていける、超・省エネボディーに進化。

とにかく「食べない」。

食べないから「動かない」、動かないから「食べない」という、

なまけないと生きていけないカラダに進化したナマケモノ。

食べる量は少なく、大体1日葉っぱ約200g。

通常は体重が軽いほど、体重あたりの食べる量が多くなるので、

ナマケモノがどれだけ少食なのかがよく分かる。

こちらは、ノドジロミコピナマンの1日の行動の割合。

連続した時間ではないが、1日のうち合計約19時間は、じっと動かなかったという計算になる。

そして、なまけることが敵から身を守ることにもつながった。

ふだん、じっと動かない上に、カラダに藻が生えると、木の茂みに紛れてしまい、

ただでさえ動かないナマケモノがより森と同化して、敵から見つかりづらくなっている。

このように、なまけに生活をし始めたからこそ、生存競争に勝つことができた。

メリットだけではない。

食べ物を食べるのも消化するのもものすごくゆっくりなので、

ちょっと天気の悪い日が続いたりすると、

体温が下がって消化が間に合わなくなって、エネルギー不足なり、命の危機となることもある。

ナマケモノは、実はスリルのある生活を送っている。

それは、約1週間に1回のトイレ。

ナマケモノは、トイレに行くときだけは木を下りる。

すると、敵に襲われる可能性が高くなる。

上半身は木につかまったまま用を足す。

ここで敵が現れても素早く逃げることはできない。