焼き肉のニオイがずっと残るのはなぜ?:チコちゃんに叱られる!【2024/09/20】

焼き肉のニオイがずっと残るのはなぜ?という話がありました。


これについて、ニオイに詳しい 関根嘉昏 先生(東海大学 理学部教授)が説明していました。

焼き肉のニオイがずっと残るのは、脂のミストシャワーを浴びているから。

脂のミストシャワーとは、ものすごく小さな脂の粒のこと。

「焼き肉のニオイ」とひと言でいっても、

肉が焼けたニオイ、タレのニオイなど、いろんなニオイがある。

実は、この脂の粒の中には、そういった、いろんなニオイが閉じ込められている。

そもそも、私たちの周りには、様々なニオイ物質が存在する。

肉を焼くと、「肉が焼けたニオイ物質」が発生。

同時に、熱によって溶け出した肉の脂が鉄板の上で熱せられる。

脂は熱によって細かい粒となり、空気中へ飛び出す。

この時、周りにある「肉が焼けたニオイ物質」や「タレのニオイ物質」などを粒の中に閉じ込めて、空気中を漂う。

この細かい脂の粒が霧のようになったものを「オイルミスト」という。

ニオイ物質は見ることはできないが、

このオイルミストは特殊なレーザーを使うと、見ることができる。

532ナノメートルの波長のグリーンレーザーで、肉眼では見えないオイルミストを可視化するのが、粒子画像流速測定法用装置、ハイパワーシートビームレーザー。

ホットプレートで肉を焼いているところに、

照明を消してレーザーを照射してみると、

水蒸気はすぐに消えてしまうが、白い粒がキラキラしている。

これが焼き肉のニオイの正体、オイルミスト。

これが、カーテンやソファーへ移動する。

そこに、一緒にニオイ物質もくっつく。

通常、ニオイ物質はカーテンや衣服にくっついても、空気の流れによって徐々に少なくなっていく。

しかし、オイルミストは、ニオイ物質が油分でコーティングされているため、

繊維質などにくっつくと、脂の粘り気で凹凸の間に入り込み、その場所に、ずっととどまる。

油汚れが、なかなか落ちないように、オイルミストのニオイも落ちづらい。

オイルミストを防ぐ方法は、

なるべく、脂が飛び散らないようにすればいい。

焼き肉店では、様々な工夫がされている。

発生したオイルミストや煙を吸い込んで換気をしたり、

鉄板の下に水を張り、肉から落ちた脂が蒸発しないようにするなど、

オイルミストを防いでいる。

家で焼き肉をする際も、オイルミストを防ぐ方法がある。

・換気する
ただ換気するだけだと、オイルミストがとどまるエリアができてしまうので、

扇風機を回して空気の流れを作り、オイルミストを外へ逃がす。

・肉を200℃で焼く
大量のオイルミストは、220°C以上で焼くと発生してくる。
ホットプレートの温度を200℃くらいにすると、オイルミストの発生を減らすことができる。

肉は高温で焼いた方がおいしいが、200℃で焼く焼き方もある。
・常に肉を動かす
・肉汁が少し出たらひっくり返す