なぜ数える時に「正」の字を書くのか?という話がありました。
これについて、国語辞典の編纂者で日本語の語源に詳しい、
飯間浩明 さんが、説明していました。
この「正」の字は、明治時代になってから広まった書き方。
江戸時代の終わりまでは、「玉」の字を使っていた。
玉という字をお金やモノを数える時にも使っていた。
この「玉」という字は、宝石のこと。
尊い・貴重だというイメージがある。お金もまた同じ。
明治時代に「正」の字になったのは、鉛筆が普及したから。
これまでは筆を使い「玉」を書いていたが、
鉛筆は墨をすらずに簡単に書ける。
しかし・・・、
筆で「玉」の字を書くと、点は見えやすいが、
鉛筆で「玉」を書くと、線が細く色が薄いので、かすれて点が見えにくい。
そのため、紙の汚れか点かがわかりにくかった。
一方、「正」の字は、5画すべてが直線なので、見間違えにくい。
他の5画の漢字に、「田」や「永」などがあるが、
途中で折れ曲がったり、今何画目かが分かりにくいので、
結果、「正」の字がいいと残った。