なぜ電車の音は「ガタンゴトン」と聞こえるのか?
これについて、鈴木創さん(日本音響研究所 所長)が、説明していました。
電車の音は、実は、錯覚で「ガタンゴトン」と聞こえているだけ。
そもそも、電車が走る時に音がするのは、レールとレールの隙間があるから。

(これは、レールが膨張して、ゆがんだり割れたりしてしまう危険を避けるため)
一般的な電車は、1車両に台車が2つ、車輪が8つ。

同じレールの隙間を大体同じぐらいの重さのものが、
通過するので、電車の構造的にも、「ガタンガタン」のはず。
しかし、実際に、レールの隙間の上を台車が通る音を聞いてみると、「ガタンゴトン」と聞こえる。
しかし、音の波形を見てみると、どちらも同じ。

「ガタン」「ゴトン」の音の波形を入れ替えて聞いてみても「ガタンゴトン」と聞こえる。
音の成分を比較してみても同じ。

では、なぜ、「ガタンガタン」が「ガタンゴトン」と聞こえてしまうのか?
それは、ゲシュタルト心理学の「近接の法則」で、勝手にペアにしてしまうから。
これは、近いものをひとまとめに処理してしまうという仕組み。
例えば、ここに、6つの丸がある。

ほぼ同じ大きさだが、6つというよりも、2つずつ、3つのグループに認識してしまう。
これが、「近接の法則」。
距離が近いもの同士を人間が関連付けて、ひとまとめに処理してしまう心理学の法則。
これは、音でも起きる。
電車の「ガタンゴトン」は、1両目の後ろの台車と、2両目の前の台車が近い位置にあるため、
「近接の法則」によって、2つの音をグループと認識。
実際には、同じ音「ガタン」なため、ペアになった最初の音は、
とても刺激が強くて、新鮮な音として捉える。
しかし、次の「ガタン」は聞いたばかりで慣れているので、弱い音と錯覚して「ゴトン」と聞こえてしまう。
ちなみに、ゆっくり走る電車だと、「ガタンゴトン」ではなく、「ガタンガタン」と認識される。
これは、スピードが遅く、1つ目の音と 2つ目の音の間隔が広がったために、
「近接の法則」が働かずに、実際の音のまま「ガタンガタン」と認識されている。






