文京区小石川で、本来なら今月、購入者に引き渡されるはずだったマンションに対して、建築確認が取り消されたという異例の事態が起きてしまいました。
文京区小石川とはどんなところ?
都心にありながら、下町の風情を残す。東京都文京区小石川。
有名国立小学校や、大病院が集まり、子育て世代に特に人気のエリア。
中止となったマンション販売詳細
ル・サンク小石川後楽園
販売価格:約5000万円〜2億円台
建築主:NIPPO、神鋼不動産
販売元:三菱地所レジデンス、野村不動産アーバンネット
販売中止に至るまでの流れ
2012年7月 「建築主」が建築確認を取得
2012年9月 「近隣住民」が建築確認の取り消しを「東京都建築審査会」に求める
2015年11月 「東京都建築審査会」は、「マンション1階の避難経路に問題がある」として建築確認を取り消した
引き渡しの3ヵ月前に住むことができないマンションとなってしまった。
建築主の対応
購入者の皆さんには、解除書類を明日(説明会の次の日)送ります、仮に受け取りしないという場合でも、契約の解除は成立すると判断している
一方的に解除書類を送るだけでは、購入者は納得するわけがない。
マンションを購入できなくなった住民の声
・文京区は教育的にもいい場所と判断し、子供のために購入した、区内の別のマンション購入を検討したが、この1年間で大幅に値上がりしとても手がでない。
・住んでいた家を売却して移住しようとしていたが、販売中止となり、住むところがない状態で、急遽住むところを探した。
・販売元にも責任がある。三菱地所というブランドで安心してマンションを購入し、売る時は優しい対応だったのに、このようなトラブルがあった途端商品に対しては責任がないと対応された。
年度始まりの4月からの新しい生活が始まる直前というのはかなり厳しい状況ですね。
販売元の三菱地所レジデンス 野村不動産アーバンネット の声
販売にあたり、建築確認取り消しの審査請求がなされている事実は、お客様にきちんとお伝えしており、
重要事項説明として十分に説明させて頂いていると認識しています。
購入者としては、この説明では納得できないですね。
販売中止の理由
販売できなくなったのには建築上の問題があったようです。
問題となっているマンションの地下一階から地上に出るスロープが、高さが約2.5mに対して急であったのと、避難階段がないということで、東京都建築安全条例違反となってしまった。
では、ここで避難階段を新たに作ればいいじゃないかということになりそうですが、
実はここで問題になってくるのが、2014年3月の「文京区絶対高さ制限」という条例の導入。
「地上から22mの高さまでしか、建物を作ってはいけませんよ」っということが決まりました。
当初建築確認をした時には、条例がまだ無かったので、27mの高さで建物を建てることができた。
しかし、今回建築確認が取り消しになって、新たに建築確認をとるということになると、条例を守った高さの建物しか建てられなくなってしまう。
つまり、22mの高さのマンションに作り直すか、上の5mの部分を削るなどをしなくてはいけないということです。
最上階を削るとなると、高額な億ションを購入している人の分でしょうから、まずありえないですね。作りなおすというのもコストの面で厳しいでしょう。
いったいどこに責任があっのか?
一度は認められた、建築確認。
最初に、建築主が建築確認を依頼した「都市居住評価センター」(国交大臣指定確認検査機関)にも問題があったのではないかとしている。