一歩先には断崖絶壁、高さ30mの危険過ぎる茶畑

京都府と奈良県の県境の辺りにある茶畑の話です。

茶畑のすぐそばまで崖が迫り、

いつ畑が崩れ落ちてもおかしくない状態に見える

崖の下にはパワーショベルの姿がある、どうやら山の斜面が削り取られたようです

いったいいつからこんな状況になっているのか?

茶畑の主「雨が降ればちょっとづつ侵食される部分もあるので、危ないですね」

元々、畑の奥に段差はなく、木々が生い茂っていましたが、

少しづつ土砂が削り取られ、3年前には今のような崖になってしまったという。

茶畑の主「始めはなだらかな感じで(掘削業者が土砂を)取ってたんですけど、キツイギリギリの角度で取るようになった。」

これは、現場付近を撮影した航空写真です。過去に撮影されたものと比較してみると、

2005年には、茶畑の右側は緑のまま、土砂は削り取られていませんでした。

それが、2012年には、すっかり土が剥きだしに、とはいえ茶畑との段差はあまりなく、なだらかに見えるのですが、

今は、ギリギリまで削り取られ、文字通りの断崖絶壁になってしまった。

茶畑があるのは京都府ですが、

土砂が削り取られた土地は奈良県になります。

形状変更の許可を得た業者が6年前に工事を始めました。

これほど大規模は掘削は許可されておらず、奈良県が3年前から是正指導を行ってきたといいます。

当初、平成22年6月〜23年7月まで、約1万立方メートルの土砂を掘削する計画だったが、
ところが期間を過ぎても無許可で作業を継続、2016年2月までに、許可されていた量の4倍の約4万立方メートルが運びだされたとみられる。

土砂を削りとった業者の「三進商事」のコメント、

三進商事社長「掘削は3年前に指導を受けてから一切行っていない」

三進商事社長「少しづつ土地を埋め戻す作業を始めている」

ただ、奈良県は「埋め戻しの作業はほとんど進んでおらず、土砂崩れの危険性が高い」として、

砂防条例違反などの疑いで、この業者を刑事告発、警察が捜査を進めている。

2016/05/06 追記

警察は「県砂防条例」と「森林法」違反の容疑で、社長の逮捕状を取りました。容疑が固まり次第逮捕する方針です。

2016/05/09 追記

2010年6月からおよそ1年の期限で土砂を掘削する許可を受けていた。
→しかし、1年の期間が過ぎたあとも作業終了を報告する届け出を出さず、掘削作業を続けていた。

断崖絶壁となった傾斜角度は急なところで、86度でした。
(法律で定められているのは35度まで。)

元に戻せるのか?

・業者に「元に戻す」という責任はありますが、その業者や個人が「破産」などしてしまうと、どうしようもなくなります。
・「防災」という観点から「行政に埋め戻してもらう」という考えもありますが、「私有地」ということがネックになります。
・「私有地の防災工事は、その持ち主自身がやる」というのが基本。行政が「補助金」を出して、あとは持ち主が行うという事例はありますが・・・。