【囲碁】井山棋士が、マンガ「ヒカルの碁」でもありえなかった史上初の7冠達成

囲碁界で、初の偉業が達成されました。

中学1年生で日本囲碁界にプロ入りし、26歳の若さで脅­威の強さを見せる井山裕太さん。「本因坊」「碁聖」「名人」など7つあるタイトルのう­ち、去年の夏からすでに6つのタイトルを勝ち取っていました。
そして今回、残る最後の一­つ「十段」を獲得し、七大タイトル制が始まって以来、40年間誰も成し得なかった「史上初の7冠同時制覇」を見事に達成しました。


 
井山裕太棋聖が163手で伊田篤史十段に黒番中押し勝ち。
3勝1敗で、十段のタイトルを獲得し、囲碁界初の七冠達成。

井山 棋士「一時期は特に6冠から4冠に後退した時はもうさすがに、7冠というのは自分自信無理かなと思った」

日本の囲碁界を極めた井山さんの次なる一手を聞くと、

井山 棋士「究極でいうと世界で一番強くなりたい。まだまだ自分は打っていて未熟だと感じる部分が多いので、まだまだ強くなる余地はあると思っている。」

七大タイトル獲得の経歴

タイトル戦はそれぞれ年1回、一度負けると1年間はチャンスはきません、一つずつタイトルを獲得しそれを防衛する、奪われても取り返す厳しい戦いが続きます)

2009年 (20歳) 名人位獲得 → 1冠(名人
2011年 (22歳) 十段位獲得 → 2冠(名人、十段
2011年 (22歳) 名人位失冠 → 1冠(名人、十段)
2011年 (22歳) 天元位獲得 → 2冠(十段、天元
2012年 (23歳) 本因坊位獲得 → 3冠(十段、天元、本因坊
2012年 (23歳) 碁聖位獲得 → 4冠(十段、天元、本因坊、碁聖
2012年 (23歳) 王座位獲得 → 5冠(十段、天元、本因坊、碁聖、王座
2013年 (24歳) 棋聖位獲得 → 6冠(十段、天元、本因坊、碁聖、王座、棋聖
2013年 (24歳) 十段位失冠 → 5冠(十段、天元、本因坊、碁聖、王座、棋聖)
2013年 (24歳) 名人位獲得 → 6冠(天元、本因坊、碁聖、王座、棋聖、名人
2014年 (25歳) 王座位失冠 → 5冠(天元、本因坊、碁聖、王座、棋聖、名人)
2014年 (25歳) 天元位失冠 → 4冠(天元、本因坊、碁聖、棋聖、名人)
2015年 (26歳) 王座位獲得 → 5冠(本因坊、碁聖、棋聖、名人、王座
2015年 (26歳) 天元位獲得 → 6冠(本因坊、碁聖、棋聖、名人、王座、天元
2016年 (27歳) 十段位獲得 → 7冠(本因坊、碁聖、棋聖、名人、王座、天元、十段

幼少期の井山棋士

5歳の頃からおじいさんに囲碁を学び、ぐんぐん上達していった井山さん。

6歳の時に出場したテレビ選手権でその才能に一目惚れしたのが、師匠の石井邦生 九段でした。

石井邦生 九段「ものすごい速さで打つんですよ。びっくりするぐらい。その頃から『囲碁の申し子』みたいでね。」

解説の人「天才ですね」。

そして、その後、12歳でプロデビュー。

将棋界の羽生さんからのコメント

1996年に、25歳で将棋の七冠独占を達成した羽生善治 棋士 のコメント

1年間通じて7つのタイトル戦ですべて防衛する、ないし、トーナメントを勝ち上がって、タイトルを獲得しなくてはならない。
周りのプロも強いわけなので、その中であの成績は尋常ではない。
そういう完成度は自分の目からみても信じられない存在。

マンガでもありえなかった7冠!

囲碁のマンガで有名な「ヒカルの碁」。
このマンガに登場する最強の棋士「塔矢行洋」ですら、最高で五冠(名人・十段・碁聖・天元・王座)のタイトルでした。
それが現実世界で7冠を獲得したというのはすごいと思います。
それほどに、ありえなかったことを現実で成し遂げてしまったんですね。

2016/11/03 追記

名人戦第7局、挑戦者の高尾紳路九段が井山裕太名人を破り、4勝3敗で名人を奪取しました。3連勝後に3連敗しましたが、最後に大きな1勝をもぎ取りました。高尾九段は10期ぶりの名人獲得。井山名人の七冠独占は崩れました。

2017/10/18 追記

囲碁の井山裕太6冠(28)=棋聖、本因坊、王座、天元、碁聖、十段=が17日、昨年失った名人を奪取し、11カ月ぶりに7大タイトルすべてを保持する7冠同時制覇を果たした。2度目の7冠独占は囲碁界、将棋界を通じて初めて。