今回のテーマは「映画」です。
せっかく映画を見るなら失敗せずに見たい、おもしろいのが見たい。
「いい映画に出会いたければ、AA(ダブルエー)の映画を探せ!」
いったいどういうことなのか?
いい映画はどうやって選ぶ?
監督、俳優、アカデミー賞、などで選ぶことも多く、その中でも、映画の賞はわかりやすい。
賞を取っている映画はおもしろいのか?
賞を取っている映画は間違いないが、
賞にとらわれると、本当にいい映画を見逃してしまうらしいです。
年間に作られる映画の数は?
世界中では年間、5000本以上の作品が作られている。(作っている最中ではなく流れているもの)
そのうち、日本のシネコンで上映される作品は、約1000本。
アカデミー賞は、No1の映画が選ばれるとは限らない
アカデミー賞の選考方法はご存知でしょうか?
アカデミー賞は、およそ6000人ほどのアカデミー会員の投票によって決定する。
アカデミー会員はどういった方たちなのかというと、
「アメリカの映画産業界で多大な功績がある人」
名簿は公開されていませんが、名だたる俳優さんやスタッフさんが名を連ねているということです。
もちろん作品賞に選ばれた作品はおもしろいんですけれども、
純粋に作品の良し悪しだけで選ばれているとは限らない、
やっぱり会員の皆様の人間関係、その時のアメリカの情勢、ハリウッドとして何をアピールしたいか、というものがある。
・「ET」1982年公開
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アメリカ国内だけでおよそ3億ドル、映画史上最大の興行収入を記録しましたが、
ETはアカデミー賞は取っていません。取ったのは技術部門の賞だけです。
なぜ、取れなかったのか?
「儲かっているスピルバーグに名誉まであげていいのか?」と会員たちに言われていたといいます。
当時スピルバーグバーグは36歳、映画業界の中では若手。しかも既に儲かっているというのが理由か。
映画の予告編に隠された驚きの事情とは?
事情通「予告編では嘘つきまくりです。
嘘と言っても予告編というのは、映画をいかに魅力的にみせるかというのが役割で、
ときには、おもしろくない映画もおもしろく見せなければならない。」
映画は莫大な制作費を興行収入で回収しなければならないため、キャンペーンなどの宣伝活動がとても重要。
中でも劇場やテレビ、DVDで目にする予告編は最も有効な手段。
お客さんに来てもらう為には嘘ぐらいつくのが予告編だと言います。
女性客を呼ぶための予告編作り
事情通「映画館に大勢来てもらう為には、女性のお客さんを呼びたいと、
女性が来てくれると、連れられて男性も来てお客さんも増えるので、
イメージや雰囲気を変えるというのはよくやります。」
例えば9割がアクションシーンの映画だと男性しか興味を持ちません。
女性の興味を引くために、残りの1割にある恋愛要素のみで予告編を作り、あたかも恋愛映画に思わせることもあるのだとか。
内容と関係ない音楽で作品の印象を変える!?
力を入れている映画だと予告編だけの音楽を作るのだそう。
が、本編のイメージと全くかけはなれていることもあるのだとか。
2016年公開予定のバットマンのスピンオフ映画、「スーサイドスクワッド」。
DC COMICS の極悪人ばかりのダークヒーロー映画。
2015年に公開された予告編は、ダークな世界観と、バイオレンスな描写が際立つ編集に。
しかし、2016年になって登場した新たな予告編は、
クィーンの曲を使って、内容もダークな世界観ではなく、コミカルな雰囲気に。
ちなみにこのクィーンの曲は、本編には一切出てこない可能性があるそうです。
事情通「これを見ると盛り上がるなという音楽を探してきて、まるでその映画の曲であるかのように、入れてしまうので、困ったことですよね。」
ハリウッド版と日本版の予告編はまったく違う!?
英語と日本語の違いということではなくて、ハリウッド版と日本版の予告編が全く違うこともあるそうです。
ハリウッド版と全く違うイメージで作り変えた代表例が、大ヒットした「ベイマックス」
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主人公はロボット好きの中学生。事故で亡くした兄の死因が悪の組織の陰謀と知り、兄のいた研究室の仲間と共に悪と戦うヒーローアクション映画。
しかし、日本版の予告編では、主人公以外はほとんど登場せず、亡くなった兄との兄弟愛を中心とした感動ストーリーの予告編に。
しかも、アクションシーンはほぼなし。
事情通「無い物をあるとは言っていないけど、隠したり、別の雰囲気に見せるのはよくやっていること。」
予告編からいい映画を見抜くのは難しい
事情通「予告編を作っていても騙されますから、プロでも予告編からいい作品かどうかを見ぬくというのは難しいです。」
映画評論家がすすめる映画は?
事情通「映画関係者は立場上、良い事しかいわない」
配給会社から試写会に呼ばれたりします、その関係上、「おもしろくない」とはっきり言うことはできない。
結局、予告編も評論家も興行の世界なので、しらがみが多く、本音を言えない。
映画業界のしがらみに縛られない男、小畑さん
映画事情通たちが信用できると薦める「小畑さん」という方がいるらしい。
さっそくその方の仕事場へ!そこにあったのは「シネマカリテ」という映画館。
大手シネコン系の有名な作品ではなく、独自に買い付けて来た作品を上映する映画館です。
一般のミニシアターでは、「社会はドキュメント系」や「アート系」といったように、大抵専門性の強い映画を上映しています。
そんな中、シネマカリテでは、陽の目を見ない良質な作品の発掘。大手ではやらないものを見つけ出して上映するミニシアターなんです。
小畑さん「なんでこんな面白い作品が劇場で観られなかったんだろうと、お客さんも思ったことがあるんじゃないですかね」
そんな小畑さんのオススメする映画はこちら、
「孤独のススメ」、「神様の思し召し」、「チョコレートドーナツ」、「リザとキツネ」と恋する死者たち
この4作品に共通点するのは、「観客賞」受賞作品。
小畑さん「『グランプリ』は、数人の審査員が選ぶが、『観客賞』は、一般の客が評価した作品を投票で選ぶので、
『観客賞』の方がある意味グランプリに近いのかなという捉え方をしています。」
特に、小さい映画祭になると、監督も俳優も無名な作品も多く、観客賞を取っても大手シネコンでは公開されないことも。
中には、劇場上映にすらたどりつけず、DVDにしかならないこともあるそうです。
結論
「いい映画に出会いたければ、AA(Audience Award [観客が選ぶ 賞])の映画を探せ!」
ということです。