ある日、少年は、今は亡き父が所有していた「カーレースのゲーム」を発見し、遊んでみることにした。
そして、ゲームをプレイしている最中、あることに気がついた。
少年「少し遊んでみたら『ゴースト』を見つけたんだ」
少年「『お父さんのゴースト』が走っていたんだ」
ゴーストとは、目の前を走る白い車。
レースゲームで過去の最速記録の走行を再現したもの。
それはかつて父親が残した記録だった。
少年は10年ぶりに、その父親の記録に挑んだ。
そして、ようやく父親の最速記録を超えられそうになった時、なぜか、少年はゴール目前で車を止めた。
そのわけは、
少年「ゴーストを消したくなかったから」
最速記録を更新すると、父親がプレイしたゴーストが消えてしまう。
ゴール手前で、ゴーストが先にゴールするのを見届ける少年。
少年「よかった、お父さんとこれからも遊べる」
少年の顔には笑みが浮かんでいた。