勘違いしやすい日本語というのがおもしろいです。
正しく使っているつもりが本来とは違った意味で使われている日本語は数多くある。
文化庁国語課とは?
国語の正しい理解を深めるため、調査・研究・普及を行っている国の期間。
- 作者: 文化庁国語課
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2015/12/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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勘違いしやすい日本語
・人を「うがった見方」する。
NG:うたがった見方をする。
OK:物事の本質をとらえた見方。
・おもしろい本の「さわり」だけ聞かせてよ。
NG:話の最初の部分。
OK:浄瑠璃の一種、義太夫節の一番大切な部分を示す言葉。歌ならサビ、映画や小説ならクライマックス。
・敷居が高い
NG:高級過ぎて行きにくい。
OK:不義理があって行きにくい。
(例えば、店に借金をしていて入りにくいなどという意味。)
・小春日和
NG:春の暖かい日。
OK:晩秋〜初冬の暖かい日。
・すみません
NG:すいません。
OK:すみません。
(あやまるくらいでは済まないという意味)
・「奇特」な人
NG:変わり者。
OK:特に優れている、行いが感心。
・斜に構える
NG:皮肉な態度を取る。
OK:何かに対して十分な身構えをしていること。
(剣術が語源、試合前の基本姿勢「斜めの構え」)
・気が置ける相手
NG:気遣いの必要がない落ち着ける相手。
OK:気を遣う落ち着けない相手。
・失笑
NG:笑いも出ないほどあきれる。
OK:面白さに耐えられず思わず吹き出してしまう。
苦笑・・・苦々しく思いながら仕方なく笑う。
憫笑・・・哀れんで笑う。
・酒池肉林
NG:ハレンチな宴。
OK:酒や肉のある贅沢な宴。
・選手に「檄を飛ばす」
NG:気合を入れる。激励をする。
OK:自分の考えを広く伝えて決起を促す。
「檄」とは古代中国で使われた言葉、「招集または説論のための文書」を意味する。
人々に考えを伝えるための文書を「檄文」と呼び、そこから「檄を飛ばす」という慣用句が生まれた。
・もう「潮時」だな
NG:物事の終わり際(のみに遣う)。
OK:あることをするときにちょうどいい時期。何かをはじめるときにも使える言葉。
・雨模様の空
NG:既に雨が降っている空。
OK;今にも雨が降り出しそうな空。
・寝穢く(いぎたなく)
NG:ーーー。
OK:寝相が悪いこと。
・徐に(おもむろに)
NG:勢い良く。
OK:ゆっくりと。
・割愛する
NG:省略する。いらないから切り捨てる。
OK:愛着の気持ちを断ち切り、思い切って捨てること。
・流れに棹さす
NG:流れに逆らい勢いを止める。
OK:物事がおもうように進む。
(流れに棹をさして舟を進めるように物事が上手く進むことの例え。棹とは舟を進めるために長い棒のこと。)
・憮然
NG:腹を立てている様子。
OK:失望や落胆により呆然とする様子。
・破天荒
NG:豪快で大胆。
OK:誰もできなかった事を初めて成し遂げること。性格や立ち振る舞いを表す言葉ではない。
・確信犯
NG:悪い事を分かっていながら行為に及ぶ。
OK:政治的・思想的な「確信」に基づく犯行のこと。政治犯や思想犯を指す。
・姑息
NG:卑怯・ずるい。
OK:一時的な間に合わせ、その場しのぎ。
細か過ぎる勘違い選手権
NG:過半数をこえた。
OK:過半数を占めた、半数をこえた。
(「過半数」と「こえた」が同じ意味)
NG:うんちくを語る、うんちくをたれる。
OK:うんちくを傾ける。
NG:押しも押されぬ。
OK:押しも押されもせぬ。(「押されぬ」では意味が通じない)
NG:尻をまくって逃げ出した。
OK:尻をまくって戦いに挑む。
(尻尾を巻いてとの誤用が多い。「着物の尻をまくる姿」から「戦闘態勢に入ること」が本来の意味。)
NG:風の噂に聞いた。
OK:風の便りに聞いた。
(「街や人」が主語なら「噂」、「風」が主語なら「便り」が正解)