昭和31年、日本で最初の公団住宅が、大阪府の堺市に誕生しました。
大勢の人を住まわせるために作られた団地、でもどういうわけか、ほとんどが5階建ばかり、いったいなぜなのか?
その理由は、団地の並び方にありました。
団地をよく見ると、棟と棟の間が等間隔で、ほとんどが南向き。
日当たりが関係していたんです。
当時の建築法では、各棟が1日最低4時間、陽が当たるようにすると決められていました。
もし、5階よりも高くして、日照時間を4時間にしようとした場合、
棟と棟の間隔をさらに広くとる必要がでてくる。すると、敷地内に建てられる棟数が減少してしまう。
だから、当時の建築技術の範囲では、5階建てというのがもっとも効率がよかったのだという。
団地で5階建てが多いのは、棟数を増やしつつ、陽当たりを良くするためだった。