大阪で人気の「西船場幼稚園」に廃園案が出ているという話です。
大阪市は、定員割れしている幼稚園を廃園し、民営化する方針を決定しています。
これまでに、6つの幼稚園を廃園。そのうち2つが民間に移管されています。
しかし、この西船場幼稚園は、定員割れどころか、入園倍率は「2倍」。
なぜ廃園になるのでしょうか?
そこには、人気の地域ならではの理由がありました。
この西船場幼稚園と同じ敷地内にある「西船場小学校」。
この小学校では、児童数が爆発的に増えていて、6年後の2022年には、今のおよそ2倍以上に29クラスに膨れ上がると予想されています。
そこで、市は校舎を増築することを決定。
その場所として、併設する幼稚園を失くして、校舎を建てる案を打ち出したのです。
3年後に、新校舎の建設を開始することは既に決定していて、市でもこれまでに、小学校の南側にある公園に校舎を建てる案や、小学校の校区を変更して児童数を調整する案を検討したということですが・・・。
大阪市担当者「さまざまな案を持って検討した結果、幼稚園用地を活用することが、総合的に見て、一番現実的な案ではないか」
大阪市の説明では廃園ありき。保護者からは怒りの声が!
保護者「今から0歳児、1歳児が倍に増えるんですよ!この幼稚園を今からあなたたちは潰そうとしているんです。いっぱいやり方ありますよ!」
保護者「小学校の増築した校舎に幼稚園が入ることも考えられるのではないか」
大阪市担当者「今の大阪市の方針として、幼稚園を新たに建て替えない。仮に建て替える場合は民間で」
大阪市の大方針は幼稚園の民営化。
保護者が増築する小学校の校舎に幼稚園を入れられないかと求めても、幼稚園に関することは民間で担うことだからと、できないの一点張り。
保護者の不信感はつのるばかり。
保護者「幼稚園を新校舎の下に作るのは、西区の政策では無理。結果的には廃園と決まっているので、納得してくださいと言われているようにしか考えられない」
保護者「行政の幼稚園廃園案ありきで、保護者の意見もくみ取ってもらいない雰囲気だった」
この西区は、2007年〜2016年の9年間で、0〜4歳の未就学児の人口が2000人も増加しています。
市は、廃園後の受け皿として、600m離れたうつぼ幼稚園の定員を20人増やして対応するとしていますが、
子供の人口が増えるのがわかっていながら、なぜ市は計画的に対策してこなかったのか?
市教育委員会「増加のペースは予測よりも上がっている。」
西区役所「敷地がない中のものになりますので、どっちの方向をとっても賛成・反対は最後の最後まで出てきます。」
大阪市は、早ければ来月(2016年11月)にも西船場幼稚園を廃園にする条例案を市議会に提出する予定です。
幼稚園の存続を願って、署名活動を始めた保護者たち、その思いは市に届くのでしょうか。