バスの乗り降りが違う理由
東京と大阪で、バスの乗り降りの方法を見比べてみると、
大阪は、後ろから乗って、前から降りる。
東京は、前から乗って、後ろから降りる。
かつて均一料金制がなかった時代、
東京、大阪を含めて、ほぼ全国的に距離による料金変動制で、「後ろ乗り・後払い」が主流だった。
ところが1951年、大阪市営バスは、一部で全国初の「均一料金制」を導入。
均一料金にしたので、前乗りにして先に運賃を支払ってもらうということになる。
・バスを待っている間にお金も用意できる。
・降りる時はスムーズに降りられる。
・乗り逃げされることもない。
この時、大阪で「前乗り・先払い」が誕生する。
この方式は、他の都市部でも広まり、以降、東京、横浜などでは「前乗り先払い」が続いている。
ではなぜ、大阪は「後ろ乗り・後払い」に戻ったのか?
・サービス前にお金を払うのはおかしい。
・前払いと後払いが混在していてややこしい。
・先払いは、お上の権力を感じる。
というような、市民から不満の声が相次いだ。
1964年、均一料金を取りやめた大阪市営バスは、全線を「後ろ乗り・後払い」に戻した。
その後、均一料金が復活しても、変わらず後払いが続いているのだ。
ちなみに鉄道でも同じ
関東ではICカードで乗車する際、「初乗り運賃」が先払いで引かれ、降りて改札から出る時に「乗り越し精算」。
一方、関西では先払いでないため、乗車する際は、「運賃不要」で、カードに10円でも残っていれば乗車でき、最後に「全額精算」で後払い、となっている。