大阪池田市にある、一見立派に見えるこちらのマンション。実は違法建築だということです。
マンション内に、メールや文書が張り出され、違法建築であることが住人に対して明らかにされました。
何も説明がされていないまま、住人は住まわされていたという。
では、どんな違法建築だったのか?
違法建築の内容
当初、「7階建て」として建築される予定だったマンションが、完成してみれば「9階建て」になっていた。
計画にない床を作って、2階分の居住スペースを増やしていた。
新しく床を作ったことによって、「耐震性」つまり「荷重とか自身による被害」がないのか心配される。
池田市の対応
完成に近づいた年の7月に、現場の方が確認検査をしたところ、
当初の図面と違うということがわかり、市は、9階建てとなったマンションの図面の提出を求めたが、
マンション側から、改善への動きはみられなかった。
なぜ違法建築をしたのか?
違法建築をした元オーナーのコメント
最初の土地を購入した時の「収益計算のまま行きたかったんで、その辺の『バランスを考えて』、その時にできていた計画が9階建てだった」
最初からそのつもりで、悪いという認識が薄かった。
賃貸ということで、貸す戸数を増やしたいということがあったと思われる。
建築の限度
何階建てのマンションを建てられるかは「容積率」の関係で限度が決まっている。
容積率とは?
敷地面積に対して、建築の総のべ面積の広さが決まっている。
このマンションの敷地面積を100%とすると、その広さは敷地面積の最大240%。
しかし、建設計画では7階部分までで総床面積のおよそ239%を超えていて、2階増えた部分を加えると、あきらかに基準をオーバーして300%くらいになってしまった。
このことを踏まえて、当初は、7階のみを3階分の「吹き抜け」にする計画にしていたという。(かなりありえないことですが・・・)
事の経緯
オーナーが途中で変わっていて、話しが複雑になっています。
違法建築は、元オーナーの計画だったため、現在のオーナーは驚きです。
元オーナーは、オーナー兼施工主だったので、自分の会社でこのマンションを作った。
建築確認申請を提出して、このようなマンションを作るという図面を7階として出していた。
通常この後、マンションの「検査済証」を行政からもらわないといけないが、このマンションはもらっていない。
耐震偽装の問題のため、マンションの「検査済証」というものを9割方は取られていて、
取れば、金融機関からの融資なども簡単に受けられるようになる。
そして、残りの1割はそれらが難しくなるが、検査済証をもらわないでも住人を入居させることはグレーゾーンでできてしまうという。
住人のコメント
・4年住んでいるが「今?」という感じ。
・ビックリしただけですけど。
・だまされたという感じですね。
・自分が住んでいるマンションで何があったのかなーって思いました。
今後どうなる?
既に完成してしまっているこのマンション。今後どうなるのでしょうか?
・マンションから8階、9階を失くす。
・マンションから8階、9階の住人に出て行ってもらって、当初の計画通り、「吹き抜け」にする。
↑どちらにしても、現実的ではないです。
住人の権利としては、
家主に対して賃貸借契約の解除を求めることができる。
敷金、礼金、引越し費用などを請求できる。
ということです。