宇宙の入り口と呼ばれる成層圏。
成層圏は水分が蒸発しやすいので、乾燥しやすい。
・温度:約マイナス50度
・気圧:地上の200分の1
そこで、ビールや、色々な食材を成層圏まで気球で飛ばすとおいしくなるのか?を実験ていました。
成層圏で冷やした時の予想
食材 | 予想 |
---|---|
生魚 | 「干物」になる? |
木綿豆腐 | 「高野豆腐」になる? |
大根(輪切り) | 「たくわん」になる? |
大根(短冊切り)」 | 「切り干し大根」になる? |
生卵 | 「冷凍たまご」になる? |
ビール | 「フローズンビール」になる? |
実験開始
さきほどの食材を気球に設置し、モンゴルの空へ打ち上げました。
↓10分後、[高度]4501m、[温度]マイナス4.4℃
↓29分 〜 35分後、[高度]11km〜20km、[温度]マイナス49℃ 以下
ビールが凍りはじめてきました。
↓1時間56分後、[高度]31km
打ち上げ時に、直径3mだった気球は、上空31kmでは、直径20mほどに膨らんでいました。
そして、2時間13分後、高度33,125m に達すると、突然、気球が短冊状にバラバラになりました。
↓こちらは、気球をアップに写したもの。
気球が短冊状に破裂した理由は、気球が低温で冷やされ硬くなり、ガラス玉のように破片となって飛び散ったと考えられます。
回収結果
その後、パラシュートが開いて、地上に落下した食材を回収しました。
↓結果はこちら
食材 | 結果 |
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生魚 | 「干物」になった |
木綿豆腐 | 水分は抜けたものの「高野豆腐」になりきれなかった |
大根(輪切り) | 「たくわん」になったが、辛くなった |
大根(短冊切り) | 「切り干し大根」になったが、辛くなった |
生卵 | 変わらず生卵のまま |
ビール | 成層圏で「フローズンビール」になったが、落下時に消失した |
↓高野豆腐もどき
水分は抜けたものの「高野豆腐」になりきれなかった。
↓魚の干物
完全に干物になりました。
なぜ、大根は辛くなったのか?
・大根が成層圏で凍結したことで、氷の結晶ができて、大根の細胞が破壊された。
細胞中で酵素反応が起きイソチオシアネートという辛味成分が生まれた。
この細胞の破壊によって辛味が出るというのは、大根おろしと同じ反応です。
なぜ、干物はおいしくなったのか?
・低温で水分が蒸発していて、凍結乾燥状態で干物が作られていた。
したがって、たんぱく質の熱変性がなく、とてもいい状態で干物ができたのだと思われる。
成層圏の条件を見る限り、低温なのでうま味成分の分解が抑えられ、おいしい干物が作られた。
・気圧が低下すると、おそらく細胞が膨らんで壊れる。もともと魚の細胞の中に含まれていたうま味成分が、気圧が下がって細胞が壊れ中からうま味成分があふれ出た。
結論
結果としては、干物、切り干し大根、たくわん、フローズンビール(しっかり固定する)は、成層圏で、作れそうです。