茨城県水戸市ですすめられている4大プロジェクト。
こちらは総額約1000億円の税金を投入して、4つの施設を建て直すというプロジェクトです。
この中の「新市民会館」の建設に対して、市民から反対の声があがっているそうです。
見合わない「施設の規模」
新市民会館は、大ホールの2000席をはじめ、多機能ホール、展示ホールなどで、合わせて3000人以上が収容できる施設になる予定。
・市担当者の話
経済団体とか商工会関係の方から、水戸市にもう少しサイズの大きなホールが必要という声があがっていた。
ロックとかポップスとか若者に人気の催し物、そういう方に水戸市にきてコンサートをやってもらうためには1500席では厳しいという話も伺っておりまして、ある程度の席数ということで2000席になっている。
VS
・建設反対派の話
もともとの市民会館は大ホールが1000名規模。大きな建物自体が本当に必要なんですか?と問いかけてきた。旧来の規模で十分賄える、水戸市では。
「4大プロジェクトの1つである新体育館に5000人収容できるなら市民会館は必要ない」という声もあがっている。
立ち退き問題
市は巨大な新市民会館を作るために、現在商売が行われている商店街から市民に立ち退いてもらおうとしています。
なぜこの場所にこだわるのでしょうか?
・市担当者の話
中心市街地に立地することで、お客さまに街なかも回遊してもらう、その回遊性もプラスの要因として街のなかのにぎわいのために役立つのではないか?
VS
・建設予定地で商売を続ける人の話
・どきません!3代目だから苦労して3代目で100年近くやってて、簡単に『はい、そうですか』とできるわけない!
・そんなに大きなもの建ててここが盛っていくのか、年1回あるかないかの催し物を当てにしてどうなのか?というクエスチョンだらけ。
巨大の建設費用
・建設反対派の人の話
もともとの市民会館の規模で、新市民会館をを造ると建設費用は68億円。
ところが高橋市長が「再開発方式」でつくると表明した。
それによると駐車場も含めて、我々の試算では320億円。
もともとの68億円から比べると5倍くらいの規模に膨れ上がって、これは税金の無駄遣いではないか?
VS
・市の担当者の話
新市民会館自体は192億円という数字がある。
再開発という手法の中で出来上がった建物の市民会館部分を市が買い取るという構図。
反対されてる方が300億円と言っているのは、市街地再開発という事業に対しても国と自治体で補助金を出すので、
その部分も含めると300億円という形ですね。
市はあくまで新市民会館の建設は192億円で、土地整備や道路拡張などの再開発事業は別物だと主張している。
活性化は見込める?
・荻原博子氏(経済ジャーナリスト)の話
Q:新市民会館は、水戸市の遺産(レガシー)になると思いますか?
A:ならないよ、こんなのもの!ゴミだよ、ゴミ、粗大ゴミ!
活性化するというなら、どういうイベントでどういうふうにやって、どういう形でどれくら人を呼び込んで、どのくらいの観光収入が上がってというのを実績から割り出して、数字で示さなければダメ!
具体的なイベントやコンサートなどの具体例をあげた上で、どの程度の収入が見込めるのかが過去の例から示さなければならないといいます。
VS
・水戸市の高橋市長の話
Q:新市民会館に誘致したいイベントとかありますか?
A:今具体的にどのアーティストとか、どの演劇とか、どの楽団とか、どの劇団とかあげられる段階ではありませんけれども、水戸にポテンシャルの高い規模・機能を持った施設を整備すれば、誘致は十分可能だと言われていますので、あとは私たちがしっかりとした企画力と営業力を持つことだと思っています。
はたして市民の理解を得て、新市民会館が建設される日は来るのでしょうか?