バナナの皮で滑る研究をして、イグ・ノーベル賞を受賞した人がいるそうです。
イグ・ノーベル賞
イグ・ノーベル賞とは?
1991年に創設され「人々を笑わせ考えさせる」「バカげているが刺激的」である研究に授与。
・ノーベル賞受賞者などの一流研究員が選考員を務めている。
・賞金&授賞式の渡航費用はナシ。
・授賞式はハーバード大学で行われる。
賞金がでなくても、受賞した人は自費で参加する人が多いという。
バナナの皮で滑る
バナナの皮で滑るということをしたのは、チャールズ・チャップリンがはじめだそうです。
そして、このバナナの皮の研究に挑んだのが北里大学の馬淵教授。
バナナの皮で滑ることが実証されたら大発見になる!
まず最初に、傾斜のある板にバナナの皮を置いてみたが動かない。
ここで、バナナの皮だけでは滑らないことが判明。
次に試みたのは、バナナの皮を実際に踏み、その摩擦力を確かめること。
1日に数十本の皮を歩いたり走ったりして踏み続けた。
1人で食べる分にはバナナの皮が足りず、学生たちにもバナナを食べてもらい皮を集めることにした。
しかし、研究内容は極秘で誰にも明かさなかったため、周りからは不審がられた。
そして、ある日発見しました。
バナナの皮の内側には、カプセル状の組織が密集し潰れると粘液が出る、これが「潤滑効果」を高めることがわかった。
その粘液によって、バナナの皮の外側を下にして踏んだ時には、滑りやすさは3倍、皮の内側を下にした場合には、滑りやすさは6倍になることが判明した。
これは雪の上のスキー板にせまるほどのものでした。
この発見により、馬渕教授は、2014年に「バナナの皮の摩擦係数」の研究で、イグ・ノーベル物理学賞を受賞しました。
しかし、研究はこれで終わらない。
その後、バナナの粘液は、人間の関節にある粘性体液とほぼ同じ成分だということが判明した。
現在、馬渕教授の研究結果は、高齢者医療などに使われる人工関節の改良に役立てられている。
- 作者:黒木 夏美
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2018/01/11
- メディア: 文庫