靴下の角度が135度の理由:林先生が驚く初耳学【2017/05/07】

1560年、エリザベス1世が履いていたという靴下が↓こちら。足首の角度は90度。

1600年代、水戸光圀が履いていたという日本最古の靴下(レプリカ)が↓こちら。足首の角度は135度。

手編みで靴下を編んでいた時は90度で、機械化されて135度になったという。

1580年頃、イギリスの牧師、ウイリアム・リーが妻のために手動の編立機械を開発。これをキッカケに機械編みが世界的に普及し、靴下は135度になっていったのです。

水戸光圀が履いていたという靴下が135度ということは、日本に入ってきた時には既に機械生産されていた証でもあるのです。

でもなぜ機械で作ると135度になるのか?

靴下の製造工程を見てみると、

1.履き口から回転しながら筒状に編む(回転編み)。
 

2.かかと部分は筒状の半分だけを往復で編む(往復編み)。


 

 
3.かかとを編み終わると、再び、つま先まで回転しながら筒状に編む。

この製造工程の中で最も手間なのが、往復編みのかかと部分

ただの回転の比べ、往復になると、その作業スピードは半減。

この手間が靴下が135度になった大きな要因です。

より多く生産するためには、かかとを小さく作れる135度が都合がよかったということです。

これをもし90度でかかとを編んでしまうと往復編みの部分が増えてしまいます。

生産効率を考えるとかかと部分が少ない135度が最適だったのです。