遺伝子検査でわかる!お酒に「強い」「弱い」:ちちんぷいぷい【2017/06/01】

お酒に強い人、弱い人というのは、生まれた時に既に決まっているそうです。


お酒を飲んだ時、体内に入ったアルコール成分は、簡単にいうと、

アルコール →(肝臓)→ アセトアルデヒド(不快成分) → 酢酸 → 二酸化炭素(呼気)や 水(尿や汗) → 体外へ排出。

というような流れになります。

つまり、

アルコールを分解する酵素があるか?
アセトアルデヒドを分解する酵素があるか?

で、お酒が飲める飲めないの強さが決まります。

これは既に遺伝子で決まっています。

そんな中、武庫川女子大 薬学部の木下教授は、遺伝子検査で「自分はお酒に強いのか?弱いのか?」を簡易でしかも安く判定する方法を確立しました。

今回開発されたのが、「口腔粘膜細胞採取キット」。

スポンジが付いた棒と、名刺サイズのシートです。

これでお酒が飲める体質かどうかが、たった2時間でわかるというのです。

スポンジ付きの棒で、口の中の粘膜を擦るように10回ほどまわしたあと、薄い紙にしっかりと押し当てます。

やることはこれだけ。

この後、塗りつけた細胞を取り出し、薬品の入った小さな容器の中に入れ、小さな機械に入れて1時間待ちます。

実はこれまでにも、お酒が飲める体質かどうかを調べる方法はありました。しかし、時間も費用もかかり一般には普及していませんでした。

そして今回、木下先生が簡単に遺伝子を取り出すキットを開発。解析にかかる時間が大幅に短縮されたのです。

しかも、1回一万円ほどかかっていた費用も、500円程度になりました。

検査の結果はA、B、C、D、Eの5段階で出てきます。

アルコール
体質タイプ
日本人の
割合
アルコール
体質の特徴
3% お酒に強いが抜けにくい
アルコール依存症に最もなりやすい
50% お酒に強い
(二日酔いになりにくい)
3% お酒に弱いのに顔に出にくい
がんリスクが高い
(二日酔いになりやすい)
38% 顔がすぐ赤くなる
(二日酔いになりやすい)
6% お酒がまったく飲めない

Aのタイプの人は、
アルコールを分解する力は弱いのですが、アルコールを分解して出てきた不快成分(アセトアルデヒド)はあっという間に分解してしまうタイプなので、
お酒でハッピーになれる人。ただアルコール依存症になりやすい。

Bのタイプの人は、
アルコールもすぐ分解するし、不快成分もすぐ分解してしまうので、飲んでも飲んでも酔わないし、悪酔いもしない。ただ飲み過ぎると一気に気持ち悪くなる。

Cのタイプの人は、
アルコールを分解する力も弱いし、不快成分を分解する力も弱いので、顔に出にくい。

Dのタイプの人は、
アルコールを分解する力はあるが、不快成分を分解する力は弱いので、飲めるがすぐ顔が赤くなる。

ちなみに・・・
昔はお酒が飲めなかったのに飲めるようになったと錯覚している人にはこのタイプが多く、脳が「いつもの心臓バクバクでしょ?」「いつもの頭痛でしょ?」と、悪い方から脳が目をそらしているだけ。なので、このタイプの人はお酒で体を壊しやすい。体は悲鳴を上げているのに飲んでしまうタイプ。

Eのタイプの人は、
全く分解できないに近い状態の人なので、アルコールの入ったものは飲まないようにした方がよい。

これらは遺伝子によって決まるので、一度決まったら変わりません。

この遺伝子検査は、今は会社単位や学校単位でしか検査をしていませんが、近いうちに薬局でも取り扱えるように準備を進めている段階だということです。