千葉県白井市の道路で、暴走トラックの救出劇があったそうです。
道路状況の偶然
・歩道がない一方通行の道路
・約1kmの直進道路
・左側が「壁」
事故を発見した長原桂三さんは、いつものように朝7時50分頃、この国道を自家用車で走っていた。すると、左側の壁を擦り、煙を出しながら走るトラックを前方に見つけた。
長原さんは、最初「パンクかな?」と思ったが、後方のブレーキランプが付いていない、運転手はブレーキを踏んでいない!「もしかしたら意識がないのでは?」と考えました。
トラックの右側に回り込み、運転席を見ると、運転手はハンドルから手を放して助手席に倒れ込み、明らかに意識のない状態で乗っている。
長原さんはこの状況を見て、「はやく蘇生しないと危ない」「これぐらいのスピードなら止められる、自分の車は諦めよう」と思ったそうです。
トラックの前に回り込み、自分の車のブレーキをかけ、トラックを止めました。
車から降りてトラックの運転手に話しかけるも返事はない。
その間にも、後ろからどんどん車がやってくるので、二次災害が起こってはいけないと思い、トラックから発煙筒を取り出し、後方で車の誘導を始めました。
この時、トラックのドアのロックはかかっていませんでした。
そしてたまたま、長原さんの車の前を走っていた車を看護師さんが運転していました。
長原さんがトラックを止めるのを見て、この看護師の女性も車を止めて駆けつけました。
女性がトラックの運転手を外へ運び出そうとしますが、大柄で中々担ぎ出せない状況。
その時、後ろから長原さんの同僚が運転する車がやってきました。
同僚は、最初は「長原さんが事故を起こしたのかな?」と思って車を寄せて降りました。
事情を聞いた同僚は、看護師の女性とトラックの運転手を担ぎおろし、看護師の女性は心肺蘇生のマッサージを始めました。
それにしても、なぜ、長原さんはこうもトラックを止めることができたのか?
実は、彼は安全運転管理者の資格を持っていたのです。
安全運転管理者とは?
道路交通法令の遵守や交通事故の防止を図ることを目的として、自動車の安全な運転に必要な業務を行わせるために選任された者。
後から聞いた話では、この看護師の女性は携帯電話を忘れて一度引き返してから、この道路をいつもとは違う時間に通っていました。
トラックの運転手は命に別状はないそうです。
いくつもの偶然が重なった救出劇、多重事故にならなくて済んだのが奇跡です。