「王将」と「玉将」
将棋の駒を見てみると「王将」以外の駒は同じ漢字。
しかし、王将だけは「王」という字と、「玉」という字が存在します。
この違いはいったいなんでしょうか?
実は、「王」という駒は上位者が、「玉」は下位者が持ちます。
過去の 羽生善治 三冠と藤井聡太 四段の一局を見てみると、確かに、上位者の 羽生三冠さんは「王」、下位者の 藤井四段は「玉」を使用していました。
でもなぜ、王将が2種類生まれたのでしょうか?
日本の将棋のルーツは「平安時代」。
当時は「王」と「玉」のうち、王はなく「玉」が2つありました。
金、銀、玉の3つの駒には「宝石」という意味がありました。玉は水晶のような宝石を表しています。水晶は神秘の力があると崇められ、一番強い駒に玉があてがわれていたといいます。(※諸説あり)
では、なぜ「玉」だけでなく「王」も使われるようになったのでしょうか?
一説には戦国時代の武将、豊臣秀吉は「宝石」より「戦」を大切だと考えていて「王」を作ったと言われています。
歩の裏側の「と」
ちなみに、「歩」の裏側に書いてある「と」のような字は「平仮名」ではなく、「金」の崩し文字だと言われています。
でもなぜ「歩」の裏側だけ崩し文字の「金」なのでしょうか?
全部で18枚もある「歩」の裏に書くのは、職人にとって手間だったから略式の「と」にしたという説があります。