「記憶がないほど酔った人が家に帰れるのはどうしてなのか?」を検証していました。
街の人に話を聞いてみると、「記憶をなくしたが自宅に帰れたという人」が100人中94人でした。
しかし、本当に帰れるのでしょうか?、ある30代女性で検証。
ビール(1杯)、レモンサワー(2〜3杯目)日本酒スパークリング2本(4〜9杯目)、白ワイン(10〜14杯目)、レモンサワー(15杯目)を飲んだ後、自宅へ向かいました。
タクシーを捕まえ、場所を伝えて、走ること20分。
自宅付近で降りて、酔っ払って千鳥足になりながらも、立ち止まることなく5分間歩き続け無事帰宅しました。
次の日、酔っ払った前日の記憶があるのかをその女性に確認。
2本目の日本酒スパークリングを飲んで以降は覚えていなかったそうです。
しかし、なぜ記憶がなくなるほど酔っ払っているのに、自分の家に帰ってこれるのでしょうか?
東京医科歯科大学の泰羅雅登 教授によると、
脳の中にはお酒に「弱い部分」と「強い部分」がある。記憶を作る場所は「海馬」が関係しているが、そこはお酒やアルコールに弱い部分。記憶を失くすというが実際には失くしているのではなくて、お酒が回ると海馬が麻痺し、新しい記憶を作れなくなる。
逆に「頭頂葉」はお酒に強く、その中に「ナビゲーション・ニューロン」というカーナビの役割をする神経細胞がある。
だから、新しい記憶はできてないのだけども、風景の記憶を元に行き先を自動案内して連れて行ってくれる。
とのこと。
つまり、
お酒が入り新しい記憶が作れなくなっても、帰る意思さえあれば、お酒に強い頭頂葉のナビゲーション・ニューロンが記憶している目的地の経路を呼び起こし、カーナビのようにこの風景なら右、この風景なら左と、勝手に体に指示し案内してくれる。
ということです。
では、もし、引っ越し直後であれば、前の家に戻ってしまうのでしょうか?
泰羅 教授によると、
引越し後一週間も経てば、新しいルートがセットされるが、引越し後1日などであれば前の家に帰ってしまうこともあるかもしれない。
ということでした。