イルリサット氷河の話:世界遺産【2017/09/10】

グリーンランドを覆う氷の厚さは約3000mもあります。

世界遺産にも登録されている「イルリサット・アイスフィヨルド」。

入江の奥に向かって年々後退している氷河。

2000年頃から氷が融ける速さが加速しています。

グリーンランドでは、氷から地球の気候変動を読み解く研究が続けられています。

大氷原から垂直に氷の柱を掘り出すと、

最も古い氷は、深さ3085mから掘り出した12万5千年前のもの。

氷の柱の分析は、デンマークの首都コペンハーゲンの大学で行われています。

氷を溶かして分析すると、昔の気温や温暖化の原因にもなる二酸化炭素の量などもわかります。

↓こちらが、氷から割り出された気候変動のグラフ。

注目すべきは、12万年前は今よりも気温が高かったということ。

当時、北極圏の気温は今よりも5度高く、海水面も6〜8m上がっていました。

コペンハーゲン大学の教授によると、

当時、気温が高かったのは自然によるもの。しかし現在の温暖化はほとんどが人為的なもの。
今後は、12万年前よりもっと気温が上がると考えている。

とのこと。

もし、グリーンランドの氷が全部融けたら、海水面は7m上昇、日本では東京の下町一帯が水没すると考えられています。

北半球一の氷山の海「イルリサット」、ここは地球の未来を映し出す大自然の鏡なのです。