部下や後輩が失敗した時に、上司や先輩が叱ることがよくありますが、叱れば育つということでもないようです。
的当ての実験をしていました。
20点〜100点の点数がついた的にボールを投げてくっつけます。
まずは、10回投げてその人の平均点を出します。
次に、本番1回目、本番2回目と1個ずつ投げます。
10人が投げた結果は、以下の通りになりました。
実力 (平均点) |
1回目 | 2回目 | |
---|---|---|---|
1人目 | 68 | 40 | 80 |
2人目 | 38 | 100 | 80 |
3人目 | 86 | 60 | 80 |
4人目 | 42 | 80 | 0 |
5人目 | 30 | 0 | 20 |
6人目 | 70 | 40 | 60 |
7人目 | 12 | 0 | 40 |
8人目 | 60 | 80 | 60 |
9人目 | 70 | 40 | 100 |
10人目 | 54 | 100 | 80 |
これで何がわかるのでしょうか?
1回目にミスをして実力より低かった人たちを見てみると、2回目の点数が上がっています。
1回目に実力よりも高い点数をとった人たちを見てみると、2回目の点数が下がっています。
つまり実力というのは平均なので、平均に近づいていくということ。
これを、経済学、統計学では「平均への回帰」といいます。
平均への回帰とは?
1回目の結果が平均値から大きく離れている場合、2回目の結果は、1回目よりも平均値に近くなる。
なので、失敗した時の上司が部下の関係に置き換えると、そこで叱ろうが叱るまいが点数には全く関係がないということです。
関係がないけど、失敗したときに叱ると次はうまくいくようにみえる。
上司は、「叱れば育つ」は思い込みかも、叱るより冷静なアドバイスをしましょう!
部下は、ミスや成功に一喜一憂せず、平均値(実力)を上げる努力をしましょう!
ということでした。