叱れば育つは勘違いだという話:オイコノミア【2017/11/15】

部下や後輩が失敗した時に、上司や先輩が叱ることがよくありますが、叱れば育つということでもないようです。


的当ての実験をしていました。

20点〜100点の点数がついた的にボールを投げてくっつけます。

まずは、10回投げてその人の平均点を出します。

次に、本番1回目本番2回目と1個ずつ投げます。

10人が投げた結果は、以下の通りになりました。

  実力
(平均点)
1回目 2回目
1人目 68 40 80
2人目 38 100 80
3人目 86 60 80
4人目 42 80
5人目 30 20
6人目 70 40 60
7人目 12 40
8人目 60 80 60
9人目 70 40 100
10人目 54 100 80

これで何がわかるのでしょうか?

1回目にミスをして実力より低かった人たちを見てみると、2回目の点数が上がっています。

1回目に実力よりも高い点数をとった人たちを見てみると、2回目の点数が下がっています。

つまり実力というのは平均なので、平均に近づいていくということ。

これを、経済学、統計学では「平均への回帰」といいます。

平均への回帰とは?
1回目の結果が平均値から大きく離れている場合、2回目の結果は、1回目よりも平均値に近くなる。

なので、失敗した時の上司が部下の関係に置き換えると、そこで叱ろうが叱るまいが点数には全く関係がないということです。

関係がないけど、失敗したときに叱ると次はうまくいくようにみえる。

上司は、「叱れば育つ」は思い込みかも、叱るより冷静なアドバイスをしましょう!
部下は、ミスや成功に一喜一憂せず、平均値(実力)を上げる努力をしましょう!

ということでした。