女子中学生が書いた小説「さよなら、田中さん」が話題!:ノンストップ!【2017/12/20】

今年(2017年)10月に発売した小説「さよなら、田中さん」。

この本の著者は、なんと14歳の女子中学生、鈴木るりか さん。

デビュー作としては異例の発行部数4万部を記録しています。

彼女が書いた小説のどこに人々はひきつけられるのでしょうか?

「悲しい時、腹が減っていると、余計に悲しくなる。辛くなる。そんな時はメシを食え。もし死にたいくらい悲しいことがあったら、とりあえずメシを食え。そして一食食ったら、その一食分だけ生きてみろ。それでまた腹が減ったら、一食食べて、その一食分生きるんだ。そうやってなんとかでもしのいで命をつないでいくんだよ。 」

小説「さよなら、田中さん」は、貧しい母子家庭で育つ小学6年生の田中花実が主人公。

工事現場で働きながら花実を育てる明るい母とのやりとりを中心に、彼女の周りで起こるできごとを笑いと涙でつづった連作短編小説。

編集部に送られてきたメッセージには、

・14歳の文才に驚きました。日常風景が鮮やかに浮かんでくるようでした。
・本当に中学生が書いたの?と疑ってしまうほどでした。

とあるなど、30代〜50代の女性を中心に幅広い世代から称賛の声が寄せられていました。

著者の鈴木るりか さんは両親も健在で、この主人公「田中花実」とは全く違う境遇です。

いったいどうやってストーリーや人物の描写を思いつくのでしょうか?

るりかさん「日常とか普段の生活の中で見たり聞いたりしたことが、ある時ピーンとつながってそれで書くような感じです。登場人物が勝手に動き出してくれる、私の中で。独りよがりな小説にならないように常に読み手のことは考えています。」

幼少期から、自宅の隣の図書館が遊び場でほぼ毎日本を読んでいたるりかさん。小学生の頃から志賀直哉など文豪たちの名作を読んでいたといいます。

初めて小説を書いたのは小学4年生の時、賞品につられ小学生を対象にした文学賞に応募。締め切り日当日に書いた原稿用紙11枚の小説が大賞を受賞。

その作品の主人公が田中花実。今回の短編集にはその応募作品も加筆し収録されています。 

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