お墓の住民票登録の話:Nスタ【2018/04/17】

神奈川県横須賀市役所のある一室。

そこは、引き取り手がない遺骨を一時的に保管している倉庫でした。

倉庫には壁いっぱいに遺骨が安置されていました。その数は100柱を超えます。

それぞれの遺骨には、遺体の引き取り手がないことを意味する「行旅(こうりょ)」と書かれた札が付いていました。

横須賀市では、身元がわかっていながら、引き取り手のない遺体の数が増加し、年間50体にものぼります。

こうしたお年寄りは、自分が入るべき墓を誰にも伝えていないケースが多く、横須賀市は扱いに苦慮してきました。

そこで市は、生前に自分の墓や葬儀会社などを市に登録する、いわば「お墓の住民票」を作る取り組みを全国初で初めて行うと発表しました。

「↓わたしの終活登録」

この取り組みのキッカケになったのは、3年ほど前に起きたある孤独死。

「15万円しかありません」「私を引き取る人がいません」

2015年、こう書かれた遺書を残して亡くなった男性がいました。

しかし、遺書が見つかったのは死後半年が経ってから。

市は、男性が仏式の供養を希望していることを知らずに、既に火葬で行っていました。

「生前の意志に沿った埋葬を手伝いたい」、こうした考え方から始まったのが「お墓の住民票」作り。

身寄りがなく自分のお墓の心配をしなくていいと安心している人も少なくないようです。