あなたの思い出は本物?記憶は捏造されているという話:雨上がりの「Aさんの話」【2018/04/17】

↓こちらの本の著者、榎本さんによると、人の記憶は簡単に捏造されるそうです。

最近の研究では、記憶が必ずしも真実ではないということがわかってきた。

例えば、夫婦の間で「あの場所に行ったよね?」「行ってないよ」という会話があったとすると、どちらかの記憶が間違っているということになる。

つまり、記憶が改ざん、捏造されている。

記憶というのは写真やビデオみたいに固定されているものと考えられがち、実はそうではなく、思い出す時に作り直される。

例えば、アメリカの認知心理学者が行った「ショッピングモール実験」。

成人の被験者に対し、親が「5歳のときショッピングセンターで迷子になったことを覚えているかい?」と聞きます。

そんな事実はないため、被験者はもちろん「覚えていない」と答えます。

しかし、「ポロシャツを着た親切な老人がお前を母さんのところに連れてきた」、

「暑い日で、お前が泣き止んでからアイスクリームをいっしょに食べた」などと、

ディテールを積み重ねられると、被験者は「そういわれてみれば、そんなこともあった」と言い出し、無いはずの記憶を思い出したのです。

さらに、被験者は親の言葉に同調しただけでなく、「あのおじいさんが着ていたのは、ポロシャツじゃなくて黄色のTシャツだったよ」などと相手の間違いを修正したり、

「お母さんが何度も頭を下げて礼をいっていた」などと出来事の細部を創作したりしたのです。

この実験で明らかになった恐ろしい事実があるといいます。

例えば、冤罪事件の目撃証言は、質問の受け方によって間違った記憶の可能性がある。

質問の仕方で記憶が誘導されることが日常的に起きている。

意外に簡単に記憶が塗り替えられてしまうことがある。

記憶の捏造のポイント

同じ内容を繰り返されると、曖昧な記憶が徐々にクリアになってくる。
本人がよくとる行動を盛り込まれると、記憶が錯覚しやすい。

最初は「納得していない」→ 次に「考えている」→ 次に「記憶を探している」というような表情になってくると、それは記憶の捏造が進行しているということ。

もし、このような考え込んだ表情がなく、すぐににこやかに頷きながら同意してくる場合は、先輩や上司に気を遣っているだけということもある。

こういった記憶の捏造は、日々の習慣で防げるそうです。

・情報はソースをはっきりさせる。(誰がいった情報か?)
日記をつける。
・回想する癖をつける。(お風呂などで1日を振り返る)

関連書籍

記憶はウソをつく (祥伝社新書 177)

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