「ドイツ」は英語で「ジャーマニー」なのに、なぜ「ドイツ」って言うんですか?という疑問がありました。
例えば、エジプト、スペイン、メキシコ、スエーデン、オーストラリアなど、
日本では、英語で呼ばれる国名をそのまま使うことが多いです。
しかし、ドイツは英語読みの「ジャーマニー」とは呼ばず、「ドイツ」と呼ぶことが多いです。
ほとんどの国を英語名で呼ぶのに、なぜそうではない国があるのでしょうか?
(他にも、オランダ【Netherlands】、ベルギー【Belgium】、トルコ【Turkey】、ギリシャ【Greece】、イギリス【United Kingdom】など)
ドイツ語で描かれた地図を見てみると、「Detuschland(ドイチュラント)」と書かれていました。
つまり、「ドイツ」とは本国ドイツ語の読み方に近いという珍しい呼び方だったのです。
1878年(明治11年)の日本にあった世界地図を見てみると、ドイツは「日耳曼(ゼルマン)」と書かれていました。これは英語の「ジャーマン」からきています。
しかし、1890年(明治23年)になると、それが「獨逸(ドイツ)」という表記に変わっていました。
国名は、その国家間の付き合いで変わることもあるといいます。
当時、新興国だったドイツ。技術大国・軍事大国として急成長していたドイツを日本政府はお手本としていました。
医学のカルテや、ビスマルク憲法→大日本帝国憲法 など。そのため現地の呼び方が定着しました。
ベルギーも似たような理由。
1850年当時、ベルギーは世界最先端の中央銀行の仕組みを作っていたため、それを日本が参考にして日本銀行を作りました。
イタリアも似たような理由。
イタリア本国では、英語の「Italy」ではなく、日本と同じく「イタリア」と呼んでいる。明治時代、日本はイタリアに蚕製品を多く輸出していた。
日本で呼ぶ国名が英語の発音と違うと思った時は、その理由の1つに、明治時代に親密なお付き合いをしていたということもあるのです。
そんな中、英語読みでも、本国読みでもない、どちらにもあてはまらない国がありました。
それが、「イギリス」。
英語、本国読みでは「United Kingdom(ユナイテッドキングダム)」。
このイギリスは、元は「Ingles」からきているといいます。
Ingles とは、ポルトガル語の「English」。
これが Igilisu に変化しました。
日本の戦国時代に、日本に来たポルトガル人がイギリス人のことを「イングレス」と言い、「イギリス(英吉利)」というポルトガル語読みになったのです。
以下の国も似たような理由。
オランダ【英語:Netherlands】【本国:Nederland】
トルコ【英語:Turkey】【本国:Turlkiye】
ギリシャ【英語:Greece】【本国:Ellada】
ちなみに、日本はなぜ「Japan」と呼ばれるのでしょうか?
これには、マルコポーロが記した東方見聞録に出てくる黄金の国「ジパング」からきているという説と、
もう一つは、
「日本」という漢字を昔の中国読みで「Jih-pun(ジーフン)」と言うので、
これをポルトガル人が「Jampon」「Japam」と発音。
それが世界各国に「Japan(ジャパン/ヤーパン)」や「Giappone(ジャポーネ)」として広まったという説もあります。