「カタカナ」と「ひらがな」の成り立ち
日本語には、「カタカナ」と「ひらがな」がありますが、
その中には、「ス」と「す」や「タ」と「た」など、形が似てない文字もあれば、
「ウ」と「う」や、「リ」と「り」のように、形が似ている文字もあります。
日本語学者の金田一秀穂 先生によると、
金田一先生「カタカナもひらがなも漢字が元になっています。カタカナは漢字の一部分を使っています。ひらがなは漢字全体の砕けた字、「草書体」の文字を使っています。」
とのこと。
・カタカナの例:
「伊」→「イ」、「江」→「エ」、
・ひらがなの例:
「寸」→「す」、「世」→「せ」、
・カタカナとひらがな両方の例:
「加」→「カ」、「加」→「か」
カタカナの「カ」は、「加」という文字の左側の部分だけを取って作られた文字ですが、
ひらがなの「か」は、左側の「カ」はそのままの形で、口の部分が省略されて点に変化。
「仁」→「二」、「仁」→「に」
カタカナの「二」は、「仁」という文字の右側の部分だけを取って作られた文字ですが、
ひらがなの「に」は、にんべんが一直線に変化。
・元になった漢字が違う例:
このような場合、ひらがなとカタカナで形が全然違います。
「江」→「エ」、「衣」→「え」
「牟」→「ム」、「武」→「む」
「三」→「ミ」、「美」→「み」
「阿」→「ア」、「安」→「あ」
「多」→「タ」、「太」→「た」
なぜ、「カタカナ」と「ひらがな」があるの?
金田一先生「『カタカナ』と「ひらがな』は、平安時代にできたと言われています。公式用の文章は『カタカナ』で書かれるわけです。プライベートな文章は『ひらがな』で書かれるわけです。公式の文章を書くことは男性が多かった。女性は少なくとも、プライベートなことの方が多いですから、ひらがなを使うことが多かった。
国の書物には「漢字+カタカナ」を使い、和歌や物語など趣味的な文章を使う時には「漢字+ひらがな」を使っていたそうです。