プールで泳いだ後、目が赤くなることってありませんか?
これはプールの中に入っている塩素のせいだと思いがちですが、どうやら単独犯ではないようです。
もしかしたら、誰かがプールでオシッコをしているせいかもしれません。
塩素は、多くの病原菌を短時間で殺菌します。
その殺菌力が仇となり、これまで、プールに入った人の目を赤くする犯人だと言われ続けてきました。
しかし、塩素は、通常使われている濃度では、ほとんど人体に無害だと考えられています。
塩素はプールだけでなく、普通の水道水にも消毒薬として使われています。
水道水の塩素濃度は1mg/L以下。
実は、プールの水の塩素濃度はこの水道水のものとほぼ同じなのです。
でも、塩素濃度が同じなら、水道水からも「プール独特のにおい」がするはずです。
実は、あのプールの独特のにおいは、
おしっこに含まれる「アンモニア」と、プールの「塩素」がくっついてできる「クロラミン」という物質からきています。
これには刺激性があり、目が赤くなる原因とだといわれています。
この「クロラミン」、大量に集めて油に溶かし、それに衝撃を与えると爆発することもあるという物質です。(※トリクロラミンの場合)
そんなクロラミンが目に触れると角膜がダメージを受けます。
体はそのダメージを治そうとして、血の流れを増やすので目が赤く見えるのです。
しかし、プールでおしっこをする人なんているわけがないと思いませんか?
実は、プールに入るとおしっこがしたくなるという人はけっこういるようです。
体が冷えると毛細血管が収縮、すると毛細血管を流れていた大量の血液が心臓に流れ込みます。
これを受けて、体は血液が多すぎると勘違いし、体内の余分な水分をおしっこなどで体外に出し血液の量を減らそうとするのです。
さらに、人の汗もおしっことほぼ同じ成分なのです。
なので、プールに入る前には、トイレでオシッコをすませ、シャワーで汗をしっかり流すことが大事なのです。