「次郎」と「二郎」の違いは?:この差って何ですか?【2018/10/02】

日本人の名前に、「次郎」と「二郎」がありますが、この違いは何でしょうか?

そもそも、なぜ男の子の生まれた順番で付けられた名前ができたのか?

この名前を付け始めたのが、平安時代後期の武士

当時、武士の子どもは、成人するまで「正式な名前」を付けてもらえなかった。

その代わりに通称として、武家では男の子が生まれた順番に、太郎、次郎、三郎、四郎・・・のように名前を付けていった。

なぜ、生まれた順番で通称を付けたのでしょうか?

当時は、子どもの数が多かったためです。

どの子どもがその家の跡継ぎなのか、家族以外の人にも分かるように生まれた順番に通称を付けた。

家を継ぐ可能性の高い最初に生まれた男の子には、「太」=丈夫に育つ、という意味で、「太郎」という通称を付けた。

2番目に生まれた男の子には、太郎の「」の跡継ぎという意味で、「次郎」と付けた。

そして、もう一つの「二郎」は、12番目に生まれた男の子に付けられました。

普通だったら、「十二郎」となるところですが、どうしてでしょうか?

当時、武士が切腹をする時に、十字に腹を切っていたため、縁起が悪いとして「」という字は使いたくなかったのです。

11番目の男の子は、「一郎」と名付けられました。

13番目の男の子は、再び生まれた三郎という意味で、「又三郎」や「与三郎」と名付けられました。

※「」=再び、「」=さらに加える

ちなみに、当時、「十」に似た「」の数字も縁起が悪いとされていたので、7番目の男の子に3と4を足して「三四郎」と名付けることもありました。

その後、江戸時代中期には、2番目の男の子には、数字そのままに「二郎」と付けられるようになっていったそうです。