東洋大学の戸梶教授が「感動のメカニズム」について説明していました。
感動する映画
Q:映画・テレビで、どんなシーンに感動した?
・とても強い愛情、友情、思いやり(例:レオン)
・愛する人との死別、離別(例:タイタニック)
・苦難を乗り越えて掴んだ勝利(例:ロッキー)
・生き別れた者との再会(例:母をたずねて三千里)
など
とても強い愛情・感動には様々な感情が含まれる。
「喜」「悲」「尊敬」「驚き」
中でも多いのが「喜び」「悲しみ」。
「主人公の死」「つらい別れ」のある悲しい映画。
悲しくても感動するのはなぜでしょうか。
これは「当事者」ではなく、「第三者」だから。
当事者は生々しくて悲しみが強い。
第三者として全体が見えるので感動になる。
感動を与えるヒーロー・ヒロインとは?
男性が抱くヒーローとヒロインのイメージ、
女性が抱くヒーローとヒロインのイメージをまとめたものがこちら。
男性の意見:
ヒーロー:外見の良さ、精神的・身体的強さ、優しさ・思いやり、行動力
ヒロイン:外見の良さ、精神的強さ、優しさ・思いやり、行動力、【自己犠牲】
女性の意見:
ヒーロー:外見の良さ、精神的・身体的強さ、優しさ・思いやり、行動力、頭の良さ、【自己犠牲】
ヒロイン:外見の良さ、精神的・身体的強さ、優しさ・思いやり、行動力、頭の良さ
全てにおいて共通していることは「外見の良さ」。
男性はヒロインに対して、女性はヒーローに対してと、異性に対して【自己犠牲=最大の愛情】を求めている。
これらの要因が結びついていくと「感動」につながる。
感動のメカニズム
【1】人物像 + エピソード → 高関与状態
【2】ヒーロー願望の活性化
【3】感情移入
【4】緊張
【5】緩和
お笑いコンビの「笑い飯」の例:
「笑い飯」は、何度もM1の決勝に残るも、なかなか優勝することができなかった。
そして、M1最後と言われた第10回大会で、「ラストチャンス」というエピソードが加わる。
視聴者は、他よりも笑い飯に興味が湧いてくる。
これを「高関与状態」という。
笑い飯をヒーロー視するようになり、
見ている人は、自分もヒーロー・ヒロインになりたいという潜在的な願望が活性化する。
そして、「がんばれ」と感情移入する。
決戦当日、視聴者は心拍数が上昇し、緊張状態になる。
最終的に優勝すると、その緊張状態から解放される。
それが引き金となって感動が生まれる。
悲しい映画の例:
主人公が死に至るまでには緊張状態が生まれるが、
主人公の死によって多くの人が救われ、幸せをつかむことで緊張が緩和、
それによって感動が押し寄せてくる。
感動の3つの効果
・やる気が高まる
・新しい考え方を取り入れる
・他人に対して寛容になる