百貨店の食品売り場といえば、「デパ地下」とよく耳にします。
「デパ3」や、「デパ4」とは、あまり聞きません。
なぜ、地下にあるのでしょうか?
百貨店の食品は、その場で作ってそのまま販売というのが売りのひとつ。
そのため調理スペースが必要となります。
バックヤードの調理場を見てみると、ガス・水道がひかれていて、これは地上にひくよりもコストが低くすみます。
毎日、運ばれてくる食材の搬入口も地下あるため、運搬効率もよいです。
他にも、JRや私鉄、地下鉄と、地下にある大きな駅に囲まれている場合、
地下改札を通る客が多いため、地下に食品を持ってきているケースがあります。
この他にも、百貨店の歴史が地下食品売り場に影響を与えているといいます。
1673年創業の三越にはじまり、高島屋、松坂屋、大丸と百貨店の前身は、呉服店が多い。
つまり、百貨店はそもそも服屋さん。
お店の看板となる1階には、当然、衣服売り場がありました。
明治時代になると、百貨店は西洋化。
海外のデパートにならい食品の販売を開始。
しかし、衣服売り場の空きスペースが使われていました。
元々、百貨店には地下がありましたが、エアコンや換気装置がなかったため、売り場には使えず、倉庫や従業員の休憩場所として使われていました。
そんな中、1915年に日本初の郵便物貨地下鉄道が東京駅に開通。地下の空調技術が発展しました。
これに目をつけたのが、1922年に開業した高島屋。
百貨店競争を勝ち抜くため、大きな食品売り場が必要になり、大金を投資のもと地下食品売り場を建築しました。
その後、電鉄系の百貨店も食料品を主力商品にして、地下食品売場が浸透していきました。