海の中で昆布のダシが出ないのはなぜ?という話がありました。
海の比較的浅い所で、海水から栄養を得て育っている「生きている昆布」、そして、海水から、栄養を得ることができなくなると死にます。
普段、スーパーなどで売られているのは、「死んでいる昆布」。
この死んだ昆布から、ダシが取れるようになるのです。
そもそも「ダシ」とは、一体何でしょうか?
カツオなどの動物性食品や、しいたけなどの植物性食品から、うま味成分を水で抽出した液体のことです。
昆布は、アミノ酸の一種であるグルタミン酸などのうま味成分が豊富で、これが昆布ダシのおいしさの正体なのです。
このアミノ酸は、昆布が生きている間は海水に出ません。
これはなぜでしょうか?
このアミノ酸は、細胞の中に存在しており、生きている間は細胞膜によって、細胞の外に出ないように閉じ込められています。
だから、生きている間は昆布からダシが取れないのです。
細胞膜には、物質を細胞の中にとどめるか、外に出すかをコントロールする役割があり、昆布が生きていく上で大切な、グルタミン酸などのアミノ酸は細胞の中に閉じ込められています。
ところが、昆布が死ぬと、細胞膜が壊れしまい、ダシの正体であるグルタミン酸などが外に漏れ出てしまうのです。