ボラが群れる理由:ダーウィンが来た!【2019/03/31】

場所は、アメリカ・フロリダ半島のシンガーアイランド。

世界中の大富豪に人気の高級リゾートです。

気候は、一年中温暖で、9月でも気温は30度を超えます。

このビーチに、年に一度、9月から10月にかけての数日間に、

たくさんの魚の「ボラ」が集まるといいます。

フロリダ半島の沖は、水深100m以上あり、南からの暖流が流れています。

そこは栄養が豊富で多くの魚の産卵場所になっています。

シンガーアイランドは、その暖流が沿岸にもっとも近づき、

ボラにとって、一番アクセスしやすい場所でした。

ビーチ付近の海に見える黒い部分は、全部ボラの群れです。

その数は、多い時には100万匹も集まるのだとか。

群れを作ると天敵に狙われやすいといったデメリットがありそうですが、

それ以上に、メリットもいくつかあるようです。

天敵対策1

水中ではあらゆる方向から鳥やサメなどの天敵に襲われる可能性がありますが、一匹で全方位を警戒するのは困難です。

群れていれば、同時にあらゆる方向を警戒することができます。

群れの誰かが天敵にいち早く気づいてくれるというわけです。

天敵対策2

天敵が獲物を襲うには、狙いを絞らなければなりません。

ボラの群れが天敵の目の前で、敢えて右へ左へと激しく泳ぎ回ることで、狙いを定めにくくしています。

長距離移動

群れで泳ぐと、後ろに小さな渦が発生します。

その斜め後ろに、後ろから前へと流れが生じます。

そこにいれば、前へと押し出されるので、楽に泳げるのです。

一匹で泳ぐより体力を温存できます。