「かわいい」ってなに?という話:ヘウレーカ!【2019/04/17】

かわいい」とはどういうことなのか?という話を、人間科学の入戸野 宏 先生が説明していました。

感じる (シリーズ人間科学3)

感じる (シリーズ人間科学3)

  • 作者: 入戸野宏,綿村英一郎
  • 出版社/メーカー: 大阪大学出版会
  • 発売日: 2019/04/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

かわいいの要因の1つに「ベビースキーマ」を上げていました。

その特徴は、体に比べて大きな頭、大きな目、丸い顔、広いおでこ、柔らかそうな体表面 など。

こういったものを見ると私たちは「かわいい」と感じる。(例えば、赤ちゃん、キティちゃん などのキャラクター)

最近まで、このベビースキーマは、生まれた赤ちゃんが周りの人から注目を集めて守られて育てられるためにあると考えられてきた。

しかし、弱いものを助けるためにベビースキーマがあるなら、生まれたばかりの赤ちゃんが一番かわいいということになる。

しかし、実際はそうでもない。かわいく見えてくるのは生まれてから数日経ってからのこと。

(かわいい=幼い)だけではないような気もします。

そこで、入戸野先生は、2010年にある実験をしていました。

大学生を2つのグループに分け、かわいいという言葉に関連する93項目、どのくらいかわいいか、どのくらい幼いかを評価するというもの。

半分の学生は、かわいさの評価を1点から5点でつける。

もう半分の学生は、幼さの評価を1点から5点でつける。

項目ごとに平均値を出して、図にしたのが、↓こちらの図。

1つ1つの点が、赤ちゃんだとか、子犬、子猫といった項目になる。

縦の軸はかわいさの評価。横の軸は幼さの評価。

例えば、幼さとかわいさがともに高かったのが「赤ちゃん」。

一方、幼さとかわいさの評価が最も低かったのが「人体模型」。

かわいさのうち、幼さで説明できる割合は、約4分の1くらい。

残りの4分の3は、それ以外の要素で説明される。

ここで1点気になる黄色い点がある。

赤ちゃんより幼さは低いが、かわいさが上回るもの。

それは「笑顔」。

笑顔が、93個の中で1番かわいいというふうに男性も女性も感じた。

「かわいい」というのは、幼さではなくて、相手に対して自分が近づきたい、相手は自分に危害を加えないということを表す。

その時に自分が感じる感情が「かわいい」だといいます。

(かわいいと思う → 緊張がほぐれる → 笑顔になる → かわいいが伝染する → ・・・)