ウルトラマンの必殺技といえば「スペシウム光線」。
なぜ、あの形なのでしょうか?
その理由は「動かないようにするため」。
初代ウルトラマン 監督の 飯島敏宏 さんによると、
バルタン星人を知っていますか?: ~テレビの青春、駆け出し日記~
- 作者: 飯島敏宏,千束北男
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2017/06/28
- メディア: 単行本
パンチやキックよりもかっこよく、これまでにない必殺技を作りたい。
そこで、考え出されたのがスペシウム光線。
ウルトラマンの光線が細い線では、大きさが40mほどの怪獣を倒すには地味と、もっと迫力ある光線を出したいと幅の広い形になりました。
コンピューターもない時代に、特撮映像をすべて手作りしていたので、CGが使える今よりも作業は大変だったといいます。
そして、スペシウム光線のポーズがあの形になったのは、安定するからだといいます。
確かに、片手だけよりも、もう片方を添えた方が安定しますが、
なぜ動いてはいけなかったのでしょうか?
当時、初代ウルトラマンの光学作画を担当していた飯塚定雄さんによると、
スペシウム光線は、パラパラ漫画のように線を描いていました。
微妙に長さや位置を変えています。
こうすることで、光線がビーッと出ているように見えます。
これを1秒間に24枚描く。もし5秒あれば120枚にもなります。
この手書きの線をひとコマひとコマ画面に乘せていき、光っているように加工して、やっと完成するのです。
もし、ウルトラマンの手が動いてしまうと、それに合わせて線を書き、光線の合成が大変になるので、動かないようにするため、あの形になったということです。